太陽光発電を増やす東京メトロ、地上の9駅を合わせてメガソーラーに自然エネルギー

地下鉄の運行に伴うエネルギー使用量の抑制に取り組む東京メトロが、地上の駅で太陽光発電設備を拡大中だ。駅のホーム上屋に太陽光パネルを設置する方法で、すでに導入した駅は9カ所になり、発電能力は合計で1MWを超えた。駅構内のエスカレータやエレベータなどの電力に利用する。

» 2015年02月17日 15時00分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]

 東京メトロで9番目の太陽光発電設備が本日2月17日に、地下鉄日比谷線の南千住駅で稼働した。日比谷線では数少ない地上駅の1つで、ホームの上屋の斜面に太陽光パネルを設置した(図1、図2)。

図1 日比谷線・南千住駅のホーム上屋。出典:東京メトロ

 発電能力は80kWで、年間の発電量は8万kWhを見込んでいる。一般家庭で23世帯分の使用量に相当する。発電した電力は駅の構内にあるエスカレータやエレベータ、照明や空調などに利用する予定だ。発電量が大きい時間帯には余剰電力が生じる可能性があり、その場合には隣接する駅にも電力を供給する。

図2 ホーム上屋の斜面に設置した太陽光パネル。出典:東京メトロ

 東京メトロは2008年に初めて地上の駅に太陽光パネルを設置した。2013年からは地上駅が多い東西線の8つの駅を対象に太陽光発電の拡大に乗り出し、現在までに7つの駅に導入を完了している。新たに稼働した南千住駅を加えると発電能力は合計で1MW(メガワット)を突破した。

 東京メトロでは2020年度に向けたグループの長期環境戦略「みんなでECO」を2013年度から推進している。太陽光発電のほかにも車両の回生電力を駅に供給する仕組みを拡大して、電力使用量の削減を進めてきた。2020年度までにエネルギーの需要が増えても、省エネ対策によって現在の9路線が運転を開始した2009年度と同じ水準の使用量に抑える計画だ(図3)。

図3 エネルギー使用量の抑制目標(GJ:ギガジュール、1GJは約280kWhに相当)。出典:東京メトロ

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