太陽光発電と連携よく、UPS機能を備えた3kWhの蓄電池蓄電・発電機器(1/2 ページ)

住友電気工業は家庭内や小規模なオフィス、店舗など室内で利用する大容量リチウムイオン蓄電池「POWER DEPOTII」を開発、2015年4月に販売を開始する。容量は3kWh、出力は1kW。変換効率が高く、小型で低価格であることをうたう。キャスターを備えており、利用場所を容易に変更できる。

» 2015年02月24日 11時00分 公開
[畑陽一郎,スマートジャパン]

 住友電気工業は家庭内や小規模なオフィス、店舗など室内で利用する大容量リチウムイオン蓄電池「POWER DEPOTII」を開発、2015年4月に販売を開始する。容量は3kWh、出力は1kW。変換効率が高く、小型で低価格であることをうたう。

 「100Vの交流を直流に変換して蓄電池に蓄え、接続した電気製品に100Vの交流を出力する。この際に用いる半導体やコイルの損失を低減し、スイッチング制御を改善することで、当社の従来製品*1)と比較して、容量当たり約20%利用可能なエネルギーを増やすことができた」(住友電気工業)。

 寸法は高さ550mm、幅244mm、奥行き521mm。ミドルタワー型PCと同程度である。重量は54kg。底面にキャスターを備え、可動式であり、家庭用コンセント(100V)から充電するため、室内のさまざまな場所に配置しやすい(図1)。設置工事は不要だ。

 ハウスメーカーや住宅用太陽光発電関連の事業者、商社を通じてオープン価格で販売する。「同容量の他社製品と比較して、1〜2割安価である」(住友電気工業)。

*1) 同社が2012年に出荷を開始したPOWER DEPOと比較した場合。

図1 小型であることを訴求する「POWER DEPOII」 出典:住友電気工業

太陽光発電システムと接続して利用しやすい

 太陽光発電システムと連携して動作させることで、停電時に電気製品に安定して電力を供給できるという。これはPOWER DEPOIIが接続した電気製品の消費電力をモニターして、それ以外の電力を充電に充てる機能を備えているためだ。

 パワーコンディショナーが備える自立運転用のコンセントの出力は、ほとんどの場合最大1.5kW。POWER DEPOIIは充電に振り向ける電力が固定されておらず、0〜1kWの範囲で最適制御できる。例えばPOWER DEPOIIに接続した電気製品の消費電力が600Wの場合、残りの900Wを充電に充てる(図2)。

 POWER DEPOIIは停電時、10ms以内に蓄電池からの出力に切り替わる。内部のインバーターを利用して交流の正弦波を生成しているため、交流の品質が高く、PC用の無停電電源装置(UPS)としても利用可能だ。

図2 POWER DEPOIIの利用手法 出典:住友電気工業
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