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» 2015年06月08日 11時00分 公開

蓄電・発電機器:太陽光の発電コストを2030年に7円へ、5年間の技術開発プロジェクトが始動 (2/3)

[石田雅也,スマートジャパン]

発電コストが下がれば、エネルギーミックスも変わる

 再生可能エネルギーの中でも太陽光発電は環境に対する影響が最も小さい。風力・水力・地熱・バイオマスは発電規模が一定以上の設備を建設する場合には、事前に環境影響評価の手続きをとることが義務づけられている。太陽光だけは環境影響評価が不要だ。ただし現状ではエネルギーの変換効率が低く、そのために発電コストが高くなってしまう。変換効率の向上が普及に向けた最大の課題になっている。

 太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換する効率を高めるためには、変換の過程で生じる損失を抑える必要がある。さまざまな要因でエネルギーの損失が発生するが、その中でも特に損失が大きいのは太陽電池の中で光から電気に変換する部分だ(図5)。太陽電池の損失を小さくして変換効率を引き上げることができれば、発電コストが下がって普及に弾みがつく。

図5 太陽光発電におけるエネルギー損失。出典:NEDO

 太陽電池の変換効率はタイプによって違いがある。現在の主流になっている結晶シリコンタイプでは、製品レベルのモジュールの変換効率は16%程度が最高だ。NEDOは2009年に策定した「太陽光発電ロードマップ(PV2030+)」の中で、2025年までに結晶シリコンタイプの変換効率を25%に、さらに2050年には40%に高める目標を設定した(図6)。

図6 2050年に向けた太陽電池の性能目標(太陽光発電ロードマップ「PV2030+」による)。出典:NEDO

 変換効率が16%から25%へ上がると発電量は1.5倍に、40%だと2.5倍に増える。NEDOの想定ではモジュールの変換効率が25%以上になれば、2030年の発電コストが目標値の1kWhあたり7円まで下がる見通しだ。この目標を実現できると、日本のエネルギー戦略は大きく変わる。

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