12kWの太陽電池を工場に、戸建住宅向けの製品もPVJapan2015

Looopは工場などに多い折板屋根に適した太陽光発電システム「MY発電所キット 折板屋根型」を製品化した。PVJapan2015では併せて家庭用のCIGS太陽光発電システムも展示した。

» 2015年07月31日 11時00分 公開
[畑陽一郎スマートジャパン]

 Looopは、屋根置き型の太陽光発電システム市場に参入することを発表、太陽光発電に関する総合イベント「PVJapan2015」(2015年7月29日〜31日、東京ビッグサイト)において、2種類の新製品を展示した。

 折板(せっぱん)屋根を備えた工場などに適する「MY発電所キット 折板屋根型」と、戸建住宅に向けた「住宅用システム」である。

複数の固定方法を用意

 2015年7月に販売を開始したMY発電所キット折板屋根型(図1)の価格は、工事費と配送費を除き、228万円(税別)から。多結晶シリコン太陽電池モジュール(出力255W)48枚と、パワーコンディショナ(出力10kW)、分電盤、折板屋根用の架台を含む。直流出力は12.24kWだ。

 太陽電池モジュールに対して、公称出力の90%以上を12年間、80%以上の出力を25年間保証する。

図1 折板屋根に太陽電池モジュールを1枚だけ固定したところ

 「折板屋根に架台を固定する手法は複数ある。228万円で提供が可能なのは、重ね式ボルト折板用架台(図2)を用いた場合だ」(Looop)。下部が折板の形に広がったH字型の金具を取り付け、この金具に直線状の長いフレームを固定。フレームに太陽電池モジュールを取り付ける。

図2 重ね式ボルト折板用架台(直接固定式)

 この他、折板屋根に設置した1対のボルトに長さ30cm程度の短い金具を固定し、この金具にフレームを取り付ける方式の架台も展示した(図3)。「折板屋根にもともと備わっている剣先ボルトを利用しないため、剣先ボルトのさびなどとは無関係に施工できる。山ピッチが200〜300mmの場合に適合する」(同社)。

図3 固定ボルトを利用する架台

 「MY発電所キット折板屋根型の基本的なレイアウト構成は、太陽電池モジュールを6段8列に設置するもの。屋根形状に合わせたレイアウト変更も可能だ」(同社)。

最大手企業よりも高効率をうたう

 住宅用システムは、MY発電所キットとは異なり、Looopが住宅メーカーに提供する形を採る。「現在、国内の住宅メーカー1社に供給することが決まっており、他社から調達したハイブリッド蓄電システムなどと組み合わせて提供する」(同社)。

 住宅用システムに用いる太陽電池モジュールは、CIGS太陽電池技術を用いた「Looop CIGS」(出力155W、図4)。「ソーラーフロンティアが提供する出力170W品と比較して、当社の製品は単位面積当たりの出力が大きく、価格面でも遜色ないと考えている」(Looop)。スレート屋根と瓦屋根に適した取り付け金具も併せて展示した。

図4 住宅用システムではCIGS太陽電池を利用する

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