エクソルは、工場や倉庫、スーパーマーケットなどの屋根に太陽電池を素早く設置できるダブル接着工法NAI-X(ナイックス)をセメダインと共同開発し、2015年2月に販売を開始する。屋根に穴を開ける必要がなく、養生期間も不要だ。
工場や倉庫、スーパーマーケットなどの屋根に太陽電池を素早く設置できる工法をエクソルが開発、2015年2月に販売を開始する。「ダブル接着工法NAI-X(ナイックス)」と呼ぶ。
「従来の接着剤工法と比較して、工期を最大約34日短縮可能だ」(同社)。ほぼ1カ月の工期の短縮は人件費の削減に直結する。太陽光発電システムの導入コストを抑えることが可能だ。
多くの工場や倉庫などでは「重ね式折板(せっぱん)屋根」と呼ぶ屋根を導入している(図1)。W字状に折り曲げた金属板が連続する屋根構造だ。このような屋根に太陽電池モジュールを設置する場合、一般的な工法ではまず屋根の上に平らな架台を設置し、その上に太陽電池モジュールを固定する(図2)。
このような工法では、屋根に架台を固定するための穴開け施工が必要になる。雨漏りを起こさないような工夫が必要になり、作業時間もかかる。
穴開け施工が不要な工法もある。それが今回のダブル接着工法だ。図3に屋根と太陽電池モジュールの関係を示す。屋根に専用金具を貼り付け、そこに太陽電池モジュールを固定する形だ。
「屋根自体の固定に使う『剣先ボルト』が飛び出している場合でも、60mmまでは剣先ボルト先端の切断加工は不要だ。これは専用金具に高さがあるためだ」(同社)。
同社が接着剤を最初に採用したのは、2011年にセメダインと共同で開発、販売を開始した「XSOL 接着剤工法」。接着剤が付いた専用金具を屋根に接着し、その上に太陽電池モジュールを載せるというもの。基本的な考え方は今回の工法と似ている。
接着剤工法では2種類の接着剤を使う。初期固定接着剤は接着力が強くなるまでの時間が短く、長期持続性接着剤は接着力を保持する時間が長いためだ。ただし、施工開始後、初期接着剤の接着力が十分強くなるまでの養生期間が必要った。「夏季で約2週間、冬季で約4〜5週間だ」(同社)。この期間、施工を中断しなくてはならない。
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