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» 2015年11月17日 09時00分 公開

エネルギー列島2015年版(31)鳥取:水力とバイオマスで電力の27%を供給、地熱発電も始まる (2/3)

[石田雅也,スマートジャパン]

古い水力発電所を再生させる

 江府町の東側に隣接する倉吉市では、農業用水路に設置した小水力発電所が1952年から60年間にわたって運転を続けていた。用水路から県内で最大のため池までの落差を利用した「南谷(なんこく)小水力発電所」である。ただし老朽化が進んで修理の頻度も多くなったことから、新しい発電設備に更新することになった(図4)。

図4 「南谷小水力発電所」の所在地(上)、発電設備(下)。出典:鳥取県農林水産部

 従来と同様の横軸フランシス水車を採用したが、発電能力は76kWから90kWに増やすことができた。新設備は2014年12月に運転を開始して、年間の発電量は64万kWhを見込んでいる。発電所の建屋は県産の木材で造られている。地域の資源を利用した再生可能エネルギーのシンボルに位置づけるためだ。

 同様の取り組みは県西部の日南町でも見られる。2015年9月に運転を開始したばかりの「新石見(しんいわみ)小水力発電所」は、61年間も稼働を続けた旧・石見発電所の設備を全面的に更新したものだ(図5)。発電能力は従来と同じ90kWである。

図5 「新石見小水力発電所」の全景(上)、導水管(下)。出典:鳥取県西部総合事務所

 日南町では小水力発電に加えて340kWの太陽光発電所を2012年に稼働させた。いずれの発電所も日南町が建設して運営している。現在は町内の家庭(総世帯数2200世帯)が使用する電力の約半分を再生可能エネルギーで供給できるようになった。

 鳥取県の再生可能エネルギーは水力と風力が先行していたが、最近になって太陽光とバイオマスが急速に増えてきた(図6)。2015年に入ってからは県内の間伐材を燃料に使う木質バイオマス発電所が運転を開始した。さらに日本海に面した温泉では地熱発電も始まっている。

図6 固定価格買取制度の認定設備(2014年12月末時点)

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