強まる省エネ規制にどう対処するか、悩める担当者を救う“武器としてのIT”省エネ機器(2/3 ページ)

» 2015年12月11日 07時00分 公開
[陰山遼将スマートジャパン]

節電要請に対応しながら当初の生産計画を維持

 2015年で100周年を迎える横河電機は、産業向け省エネソリューションを複数紹介した。実際のソリューション事例の1つとして紹介したのが、あるメーカーが2011年の震災直後、電力会社からの節電要請に対応しつつ、当初の生産計画を維持したというケースだ。

 横河電機は、まずその顧客メーカーが生産している製品ごとに、製造時のエネルギー使用量の推移を分析してモデル化した。このモデルと生産計画を組み合わせれば、生産時にどの時間にどれだけの電力を使用することになるのかを事前に予測できる。この予測データの時点で使用電力が電力会社からの指定量を超えてしまう場合は、その情報を生産計画にフィードバックして、生産の組み換えを行う仕組みだ(図3)。

図3 横河電機が展示したソリューション事例。生産量を減らさずに節電要請に対応し、電力ピークを15%削減した(クリックで拡大)

 この事例では生産計画に従った電力使用量の予測が可能になったことで、生産量を減らさずに節電対応が行えた。電力ピークを15%削減した他、継続的な運用によって、契約電力料金の低減も検討できるようになったという。

エネルギー管理者を徹底サポート

 三菱電機システムサービスは産業/工場向けの遠隔監視・制御システム「SA1-III」を披露。40種類以上の豊富な監視・制御機能を持つ同システムだが、その中には工場のエネルギー管理を支援するさまざまな機能も用意している。ブースでは新機能として工場内のエネルギーを、エネルギー原単位で監視できる機能を参考出展として紹介した(図4)。

図4 監視画面のイメージ(クリックで拡大)

 新機能は生産ラインやユニットごとなど、細かくエネルギーの使用状況などを確認することが可能で、工場のエネルギー管理者のマネジメントをサポートする。SA1-IIIは年間100件ほど導入が進んでおり、省エネ機能へのニーズにも高まっているという。

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