宝塚歌劇をCO2ゼロで、「J−クレジット制度」を活用電力供給サービス

阪急電鉄と大阪ガスは、政府が運用する温室効果ガス排出削減の認証制度「J−クレジット制度」を活用した、「宝塚大劇場カーボン・オフセット公演」を開催し、期間中に排出される全てのCO2をカーボン・オフセットする。両社でこのような取り組みを実施するのは、2014年度に続き2回目。

» 2016年01月20日 15時00分 公開
[長町基スマートジャパン]

 阪急電鉄は宝塚大劇場で館内照明設備のLED化を順次進めるなど消費電力削減を推進。並行して、電力需要平準化に寄与しCO2排出量の少ないクリーンなエネルギーである天然ガスを利用した、高効率ガス冷暖房(ガスエンジンヒートポンプ、ガス吸収式冷温水機)を採用することによる温暖化対策に取り組んでいる。

 一方、大阪ガスは、高効率なガスコージェネレーションシステム(ガスで発電し、その際に発生する排熱を冷暖房や給湯などにムダなく利用する省エネルギーシステム)やガス冷暖房などの導入を推進することにより、企業のCO2削減と、クレジットの創出を支援している。

photo 図1 「こうもり」より主演の北翔海莉(左)、妃海風 出典:宝塚歌劇団

 今回、阪急電鉄と大阪ガスでは、宝塚大劇場で開催される宝塚歌劇雪組公演浪漫活劇「るろうに剣心」の全公演期間(2016年2月5日〜3月14日)と星組公演MUSICAL「こうもり」(図1)、ショー・スペクタキュラー「THE ENTERTAINER!」の一部公演期間(2016年3月18日〜3月21日)で排出される全てのCO2を、「兵庫県CO2削減協力事業」の一環として、大阪ガスが兵庫県内の企業から取得したクレジットによってオフセット(埋め合わせ)し、CO2排出量を“実質ゼロ”にする。CO2排出量削減は750〜800トン(一般家庭約180〜200世帯分の年間CO2排出量に相当)を見込む。公演期間中のCO2排出量がカーボン・オフセットにより“実質ゼロ”となるこの公演を観覧してもらうとともに、地球温暖化防止への関心を高めていく狙いがある。

 さらに、大阪ガスでは今回の取り組みにあわせて、これら対象公演から、その最終日となる2016年3月21日13時公演に抽選で150組300人を招待するチケットプレゼントを企画している。

 J−クレジット制度は、省エネルギー機器の導入や森林経営などの取り組みによる、CO2などの温室効果ガスの排出削減量や吸収量を、クレジットとして国が認証する制度。この制度により創出されたクレジットは、低炭素社会実行計画の目標達成やカーボン・オフセットなど、さまざまな用途に活用できる(図2)。

photo 図2 今回のカーボンオフセット実現の仕組み 出典:大阪ガス

 兵庫県CO2削減協力事業は、兵庫県内の中小事業者が設備更新する際などに、兵庫県内の大規模事業者が、技術・資金などを支援し、その結果、中小事業者が削減したCO2を、J−クレジット制度を活用して大規模事業者に移転する仕組み。

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