複雑なスマートハウスの仕組み、専門家を認定する資格制度が登場スマートハウス(1/2 ページ)

日本は2030年に向けてさらなる省エネを進める必要がある。住宅分野の省エネに向けて注目されているのが、家庭内のエネルギーを最適に制御する「スマートハウス」だ。家電製品協会はスマートハウスのさらなる普及に向けた人材育成を目的に、2016年から資格制度を新設する。

» 2016年01月25日 11時00分 公開
[陰山遼将スマートジャパン]

 家電製品協会は2016年1月22日に会見を開き、スマートハウスの普及に向けた人材育成を目的に、新たな資格制度「スマートマスター」を新設すると発表した。スマートハウスやIoT(Internet of Things、モノのインターネット)に対応した家電製品に関する知識を認定する資格で、2016年9月に第1回の試験を実施する(図1)。

図1 「スマートマスター」の概要 出典:家電製品協会

 日本全体のエネルギー消費量の低減に向け、今後さまざまな産業でさらなる省エネが求められる。政府は2015年末に年間の一次エネルギー消費量が差し引きゼロとなる住宅「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)」の普及に向けたロードマップを発表するなど、住宅分野も省エネの重点領域に挙げられている。

図2 家電製品協会 専務理事の伊藤章氏

 こうした背景もあり、ITなどでエネルギー消費量を最適に制御する住宅の総称として、スマートハウスへの注目が高まっている。住宅メーカーの新商品にスマートハウスが加わるケースも増えてきた。今回、家電製品協会がスマートハウスの“専門家”を認定する制度を新設した理由には、このようにスマートハウスへの注目が集まる一方、その中身の機能や仕組みが複雑化しているという背景があるからだという。

 会見に登壇した家電製品協会 専務理事の伊藤章氏は「本格的にスマートハウスの普及を進めていくには、その構造や技術を理解して、一般消費者のライフスタイルに応じて最適にアドバイスを行える専門人材が必要になると考えた。IoT(Internet of Things、モノインターネット)に対応した高度な家電製品も登場しており、『スマートハウスとは何なのか』『どのように自宅をスマートハウスにすればいいのか』といった具体的なポイントは、一般消費者には分かりづらい状況になってきているからだ」と語る(図2)。

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