貼るだけで窓を簡単に二重化、年間32.4%の電力コスト削減に省エネ機器(2/2 ページ)

» 2016年01月29日 11時00分 公開
[陰山遼将スマートジャパン]
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施工品質にも配慮

 アトッチは貼りつけた際に、2枚のガラスの間の空間を減圧して密着性を高めるという独自の施工方法で取り付ける。通常こうした2重ガラスの窓は工場で製造し、現場に運んで取り付けを行う。こうした工場生産で担保する品質を、現場施工で実現できるようその方法についても開発を重ねたという。なお、アトッチの実際の施工に関しては、AGCグラスプロダクツの認定を受けた「アトッチ・クラブ」が行う。

 このように窓の省エネ性能を高める場合、窓に遮光フィルムを貼るという方法が一般的だ。しかしフィルムの場合、夏季は効果を発揮するが冬季に断熱性能を高めることは難しい。そして結露の対策にはならない。「アトッチの場合、冬も夏も年間を通じて省エネに貢献できる。フィルムのように定期的に貼り替えを行う必要もないため、メンテナンスコストの削減にも貢献できる」(ブース担当者)。

年間32%の省エネに

 窓の遮光・断熱性能を高めると、結果的に空調コストの削減につながるため、トータルでエネルギーコストを抑えられるという仕組みだ。AGCグラスプロダクツの試算では、東京都にある建物幅と奥行きがそれぞれ15メートル、6階建ての1枚窓を採用しているビルにアトッチを導入した場合、年間32.4%のエネルギーコスト削減につながるという(図3)。

図3 「アトッチ」を導入した場合の省エネ効果のシミュレーション 出典:AGCグラスプロダクツ

 一方でアトッチは高性能な分、フィルムを貼りつけるより導入コストは数倍以上高くなる。ブース担当者は「フィルムよりは高いが、貼り替えが不要でありメンテナンスコストを削減でき、夏と冬のどちらでも年間を通じて省エネに貢献できるというメリットがある。その建物や設備の立地や条件によって異なるが、今後その施設を長期間利用していくのであれば、十分に初期投資を回収できるとして提案を進めている」としている(図4)。

図4 「アトッチ」の導入事例(クリックで拡大)
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