大林組が開発した「スカートサクション」は円筒形の鋼製かコンクリート製で、内部は空洞になっている(図1)。実際に洋上風力発電に適用できる大きさの構造物で試験を実施した結果、従来の設置方法と比較して着床式では3倍、浮体式では5〜8倍の抵抗力を発揮した。
スカートサクションは女性が身につけるスカートに似た形状の構造物の内部から、海底で水を吸引(サクション)することによって、内側と外側の水圧の差で抵抗力を発揮する仕組みだ。海底に固定する時には、スカートを海底面に貫入させながら内部の水を抜いていくと、抵抗が少なくなって打ち込みやすくなる(図2)。
一方で海底に固定した後に風や波の力で洋上の発電設備が揺れると、スカートを上方に引き抜く作用の荷重がかかる。ところがスカート内部の水圧が外の海中よりも低くなるために、反作用が生まれて抵抗力が大きくなり、引き抜き荷重に耐えることができる。
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