太陽光発電を改善、最高効率から工期半減までスマートエネルギーWeek 2016(3/4 ページ)

» 2016年03月16日 13時00分 公開
[畑陽一郎スマートジャパン]

施工方法が多すぎる

 パナソニックは太陽電池モジュールを住宅屋根に取り付ける方法についても展示した。PS(プッシュ&スライド)工法である。

 なぜ工法に焦点を当てたのか。パナソニックの狙いは大きく3つある。施工コストの抑制、施工効率の向上、設置後の事故防止だ。

 「太陽電池モジュールを住宅の屋根に取り付ける際、当社の5工法11方式*1)から選んでいる。多数の種類の金具が必要になり、コストアップにつながる。まずはこれを集約したい。加えてPS工法は施工効率が高く、工期を短縮できる」(同社)*2)

 PS工法は現在、陸屋根工法を除く4工法4方式に対応しており、今後、より対応範囲を広げていきたいとした。同社は、2015年7月にPS工法を発表、併せて同工法に対応したフラグシップモデルの太陽電池モジュール「P250αPlus」(出力250W、変換効率19.5%)と、この2分の1サイズである「P120αPlus」(同120W)を見せた。PS工法の本格導入は2015年11月から始まったという。

 今回の展示ではP250αPlusに加えて、普及帯の太陽電池モジュール「245αPLUS」にもPS工法対応を広げ、「P245αPLUS」とした。参考出展されたP245αPLUSを図6に示す。新モジュールの発電性能は現行製品と変わらない。太陽電池モジュールの縁に当たる金属フレームをPS工法対応に変えた。

*1) スレートなどを含む屋根瓦の違いによって、4工法(厚物瓦屋根工法、スレート屋根工法、アスファルトシングル工法、金属屋根工法)に分かれ、別に陸屋根工法がある。
*2) 同社はモジュールを12枚設置した場合の作業時間短縮効果を約127分としている(PS工法スレート方式と既存のスレート架台方式を比較)。そのうち、以下に示したモジュールの取り付け工程で約70分短縮可能だという。

図6 PS工法に対応した新モジュール 写真右下の72セル品「P245αPLUS」を参考出展した。図中央にある「台形タイプ」の製品化時期はP245αPLUSよりも遅くなるという。

 今後、PS工法をどのように展開していくか、応用例も参考出展として見せた。雪の多い地域に向けた例である(図7)。現在のPS工法は垂直積雪量100cm未満に対応している。

図7 多雪地域向けの2種類のPS工法の例

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