太陽光発電を改善、最高効率から工期半減までスマートエネルギーWeek 2016(1/4 ページ)

太陽光発電システムを住宅に導入する際、課題が幾つかある。狭い屋根をいかに有効利用するか、設置費用をどのように抑えるか。第9回 国際太陽電池展ではパナソニックがこれらの課題に応えた。

» 2016年03月16日 13時00分 公開
[畑陽一郎スマートジャパン]

 パナソニックは太陽光発電市場で硬軟とりまぜた球を投げている。2016年3月2〜4日に開催された第9回 国際太陽電池展(PV EXPO 2016、東京ビッグサイト)では、世界最高効率をうたう太陽電池モジュール技術と、住宅の屋根に設置する際に役立つ工法などを見せた。

モジュール効率23.8%を達成

 同社はシリコン系太陽電池モジュールの世界記録を大幅に更新したとして、研究開発成果を参考展示の形で見せた(図1)。米SunPowerが2016年2月22日に発表した世界記録(1m2以上のもの)を、早速1ポイント上回った。

図1 従来の記録から1ポイント性能を向上した

 同社のHIT太陽電池セルを72枚(6セル×12セル)組み合わせた太陽電池モジュールでの成果である(図2)。

 外形寸法は同社の太陽電池モジュール製品とほぼ同じ。出力275.3Wを、開口部面積(1万1562cm2)で割って、変換効率23.8%を求めた。「太陽電池モジュールの縁に付く金属フレームなどの面積は含んでいないが、セル間のすき間の面積を含んだ記録だ」(パナソニック)。

図2 変換効率23.8%を達成した太陽電池モジュール 出典:パナソニック

 図3は産業技術総合研究所(AIST)による測定結果。高い開放電圧(VOC)や短絡電流(ISC)の値を示している。

図3 開発モジュールの電流電圧(IV)特性
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