転機を迎える太陽電池市場、ZEHとソリューション提案に活路太陽光(2/4 ページ)

» 2016年03月16日 09時00分 公開
[三島一孝スマートジャパン]

ZEHを軸に直流家電などを強化するシャープ

 シャープは、台形サイズなど屋根により多くのパネル積載が可能な住宅用太陽電池モジュール「BLACKSOLAR」シリーズなどを紹介する一方で、ZEH(ネットゼロエネルギーハウス)に向けた直流家電やHEMSなどのアピールに注力した。

 ZEHとは、家庭での使用エネルギーよりも創出エネルギーの方が上回るような家屋のことを指し、政府では2020年までに標準的な新築住宅でZEHを実現することを目指している。これらを実現するためには、建築方法なども当然だが、家庭内の家電製品についても、省エネ性能・創エネ性能・畜エネ性能などに優れた製品が必要になる。

 この流れの中、シャープでは「ZEH(ネットゼロエネルギーハウス)実現」を提案の軸に据え、太陽光発電、クラウド蓄電池、クラウドHEMS、エコキュート、さらには蓄電池連携家電まで含めたホームエネルギーソリューションを紹介した(図2)。

photo 図2 ZEHを実現する製品群として「蓄電池連携家電」やHEMSなどを紹介した

 既に同社では2015年12月に、直流電力と交流電力のどちらも使用可能な「DCハイブリッドエアコン」を製品化しているが、今回は新たに蓄電池連携「非常時対応冷蔵庫」を紹介。停電時でも蓄電池の電気を活用して運転できる非常時対応機能を備えた冷蔵庫で2016年夏をめどに販売を計画するという。シャープ エネルギーソリューションカンパニー 経理管理統轄部 事業戦略推進部 戦略企画チーム チームリーダーの高橋健一氏は「ZEB(ネットゼロエネルギービル)やZEHの動きはエネルギー関連製品にとっては大きな動きになる。シャープは『家』に強い製品群をそろえており、ZEHの動きに合わせて、提案を強化していく。大手ハウスメーカーなどへの提案などと同時に、工務店などとの関係性なども強くしていく」と述べている(関連記事)。

パネル単体から総合ソリューションへ転換したサンテックパワー

 サンテックパワージャパンは「太陽光+α」をテーマに、総合エネルギーソリューション企業への転換をアピール。従来の太陽電池モジュールに加え、2016年2月から国内本格展開を開始した華為技術(ファーウェイ)社製のパワーコンディショナーや、新たに取り扱いを開始したドイツのメテオコントロールの太陽光発電遠隔監視システムなどを紹介した(図3)。

photo 図3 サンテックパワージャパンが新たに国内展開を開始するメテオコントロールのblue'Log Xシリーズ

 サンテックパワージャパンの取締役でCOO(最高執行責任者)である山時義孝氏は「太陽電池モジュールだけでビジネスを構築するのは先々を見れば難しいのが分かっている。日本市場で長くビジネスを行ってきた知見や技術とともに、グループ企業のさまざまなエネルギーソリューションを国内展開することで差別化を図っていきたい」と述べている(関連記事)。

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