2017年4月から変わる固定価格買取制度、知っておくべき改正ポイント自然エネルギー(3/4 ページ)

» 2016年04月04日 09時00分 公開
[石田雅也スマートジャパン]

発電設備の認定基準に9項目が加わる

 買取価格の決定方法が抜本的に変わるのと合わせて、発電設備の認定制度が変わることも事業者にとっては重要な改正点だ。第1に認定に必要な基準項目が大幅に増える。全部で9項目の新しい基準がある(図6)。

図6 認定基準の改正案(画像をクリックすると現行の基準も表示)。出典:資源エネルギー庁

 従来は発電設備に対する基準だけだったが、改正後は事業内容の適切性や事業実施の確実性についても基準に合致しているかどうかを確認する。たとえば土地の利用に関する法令に従うことなどが認定基準に加わる。

 実際に発電事業者が法令に違反していないかどうかを広く確認できるように、買取制度の認定を申請した時の情報を公開する仕組みがある。すでに2016年4月1日から認定情報の提供システムが稼働していて、該当する自治体や関係省庁が認定情報を閲覧できるようになっている(図7)。

図7 認定情報の提供システム。出典:資源エネルギー庁

 この情報をもとに法令に違反する設備が見つかった場合には、関係省庁や自治体が事業者に対して指導・命令を出す。さらに経済産業省が関係省庁や自治体から情報提供を受けて、事業者に改善命令を出したうえで発電設備の認定を取り消すことができる(図8)。

図8 法令違反に対する措置。出典:資源エネルギー庁

 特に発電設備の安全性が問題になる事業用の太陽光に対しては、法改正によって設置工事の前と後で規制を強化する。工事前の段階では、発電設備が技術基準に適合していることを確認する「使用前自己確認」の対象を従来の2MW以上から500kW以上に拡大する予定だ(図9)。

図9 太陽光発電設備の規制強化(画像をクリックすると拡大)。出典:資源エネルギー庁

 さらに工事の完了後に事故が発生した場合には、経済産業省に報告が義務づけられる。太陽光パネルが発電所の外に飛散したら、家屋などの損壊が発生しなくても報告しなくてはならない。事故報告の義務は現行の法律では500kW以上が対象だが、改正後は50kW以上まで広がる。

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