アウトレットの電力を800kWhの再生可能エネルギーに、日本最大の購入量自然エネルギー

三菱地所・サイモンは同社が運営する国内4カ所のアウトレットモールで、使用電力の一部を再生可能エネルギーに切り替えた。グリーン電力証書を活用したもので、購入した電力量は800kWh。国内商業施設としては最大規模の購入量となるという。

» 2016年04月11日 15時00分 公開
[長町基スマートジャパン]

 アウトレットモールの開発・運営を行う三菱地所・サイモンは、日本自然エネルギーとグリーン電力証書システムの導入に関する契約を締結し、このほど同社が運営する4施設の使用電力の一部を電力を、グリーン電力証書を利用した再生可能エネルギーへと切り替えた。対象となるアウトレットモールは「御殿場プレミアム・アウトレット」(静岡県)、「佐野プレミアム・アウトレット」(栃木県)、「あみプレミアム・アウトレット」(茨城県)、「酒々井プレミアム・アウトレット」(千葉県)である(図1)。

図1 「御殿場プレミアム・アウトレット」出典:三菱地所・サイモン

 今回、同社が切り替えるグリーン電力証書を利用した再生可能エネルギーの総量は800万kWh(キロワット時)。4施設の年間電力消費量の合計は4000万kWhで、この内約20%を再生可能エネルギーに切り替えることになる。国内商業施設としては最大規模の購入量となるという。

 三菱地所・サイモンでは、三菱地所グループとして、3つのテーマ「環境経営の推進」「経営資源を生かした新しい社会貢献活動の推進」「活力のある職場の実現・活力のある人財の育成」に基づきCSR活動に取り組んできた。特に「環境経営の推進」に関しては、全国9カ所のアウトレットモールで、施設内照明・空調の効率的運用を図っている。

 また、茨城県のあみプレミアム・アウトレットでは年間約115万kWhの発電を想定するカーポート型太陽光発電設備を導入するなど、省エネルギーを意識した施設づくりに取り組んでいる。今回のグリーン電力証書システムの導入は、こうしたエネルギー施策を他施設においても強化するためのもの。

 グリーン電力証書システムは、自然エネルギーにより発電された電気の環境付加価値を、証書発行事業者が第三者機関(グリーンエネルギー認証センター)の認証を得て、グリーン電力証書という形で取引する仕組み。グリーン電力証書を購入する企業・自治体などが支払う費用は、証書発行事業者を通じて発電設備の維持・拡大などに利用される。

 証書を購入する企業・自治体などは、グリーン電力証書の取得により、発電設備を持たなくても、証書に記載された電力量(kWh)相当分の自然エネルギーの普及に貢献し、グリーン電力を利用したとみなされるため、地球温暖化防止につながる仕組みとして関心が高まっている。なお、三菱地所グループでは再生可能エネルギーの普及促進をCSRの重要テーマとして取り組みを進めている。

 三菱地所・サイモンは、三菱地所と米国Simon Property Group2社の出資による合弁会社で、日本でのプレミアム・アウトレットの開発、所有、運営を行っている。

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