電力の自給率100%超の市町村が100カ所に、都道府県別では大分県が1位自然エネルギー(2/2 ページ)

» 2016年04月11日 07時00分 公開
[石田雅也スマートジャパン]
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増加率は茨城県がトップ、太陽光とバイオマスが拡大

 再生可能エネルギーは熱としても利用できる。「永続地帯」の調査では電力のほかに太陽熱・地熱・バイオマス熱を加えて、電力と熱を合わせたエネルギーの自給率も算出している(図3)。

図3 都道府県別のエネルギー自給率(画像をクリックすると拡大)。出典:千葉大学、環境エネルギー政策研究所

 エネルギーの自給率が10%以上に達した県は前回の調査(2014年3月末時点)から7県も増えて、合計で21県になった(図4)。大分県を筆頭に九州が5県で最も多く、東北と関東・甲信越が4県ずつ、中部が3県を占めている。

図4 エネルギー自給率が10%以上の県。出典:千葉大学、環境エネルギー政策研究所

 特に九州の各県の伸びが顕著で、中でも宮崎県は9.5%から15.8%へ6ポイント以上も上昇した。宮崎県ではバイオマス発電が3倍以上に拡大したほか、太陽光発電も2倍に増えている。そのほかの県でも太陽光発電の増加が自給率を引き上げた大きな要因だ。

 代表的な例が茨城県である。電力と熱を合わせた再生可能エネルギーの供給量は1年間で83%も増えて、増加率では47都道府県でトップの伸びを記録した。太陽光発電が2.6倍に、バイオマス発電が1.6倍に増えている。これで太陽光発電の供給量は全国で2位、バイオマス発電も3位に拡大した。自給率は5.2%から9.4%へ上昇している。

 全国すべての都道府県で再生可能エネルギーの供給量は増加した(図5)。増加率が50%を超えた県は10県にのぼる。大都市圏でも東京都が30%増、大阪府が47%増で順調に拡大している。

図5 都道府県別の再生可能エネルギー供給量と種類別ランキング。TJ:テラジュール(1TJ=28万キロワット時)。出典:千葉大学、環境エネルギー政策研究所
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