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» 2016年07月20日 09時00分 公開

台風で使えなくなった町営の小水力発電所、パワーアップして5年ぶりに運転開始自然エネルギー(2/2 ページ)

[石田雅也,スマートジャパン]
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水量の変化に対応しやすい水車を選択

 復活した白滝発電所で注目すべき点は、設備利用率(発電能力に対する実際の発電量)の高さである。小水力発電の設備利用率は標準で60%程度だが、白滝発電所では95%にも達する。水車発電機の能力をフルに発揮できる状態になっている。

図4 「S型チューブラ水車」のプロペラと断面。出典:三井三池製作所

 高い設備利用率をもたらした要因として、水車発電機に「S型チューブラ水車」を採用したことが大きい。S型チューブラ水車はプロペラを回転させて発電する方式の一種で、プロペラの前後をS字状に水を流す構造になっている(図4)。

 小水力発電に適用する水車にはさまざまな方式がある。発電量を左右する水量と落差をもとに選択するのが通例だ。白滝発電所の水流の落差は10メートル程度で、水量は毎秒1立方メートル以上を見込める。こうした条件に合致したのがS型チューブラ水車である(図5)。

図5 水量と有効落差による水車の選択例。出典:三井三池製作所

 以前は渦巻き状に水を取り込む「横軸フランシス水車」を採用していた(図6)。国内の水力発電所では最も多く使われているタイプで、落差が10メートルを超える場合に適している。特に水量が安定していると効率よく発電できる。白滝発電所では水量の変動があることから、変動の影響を受けにくいS型チューブラ水車を選択して効率を高めた。

図6 「白滝発電所」の以前の設備。出典:日本工営

 さらに従来よりも落差を大きくするために、発電所の建屋を半地下構造で建設して、水車発電機を低い位置に設置できるようにした(図7)。水車まで水を送り込む水圧管路は直径1.2メートルで、距離は515メートルに及ぶ。

図7 水圧管路・発電所・放水路の更新工事(画像をクリックすると拡大)。出典:日本工営
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