電気自動車で初の7人乗りSUV、100kWhのバッテリーで542km走行可能電気自動車(2/2 ページ)

» 2016年09月14日 09時00分 公開
[石田雅也スマートジャパン]
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航続距離は日産リーフの約2倍

 Tesla Model Xにはバッテリーの容量が60kWh(キロワット時)、75kWh、90kWh、100kWhの4種類のモデルがある。100kWhを搭載したモデルの航続距離は542km(キロメートル)を見込める。日産自動車の5人乗り電気自動車「日産リーフ」の最新モデルが30kWhのバッテリーを搭載して航続距離が280kmである。単純な比較はできないが、Model Xはリーフと比べて約2倍の航続距離になる。

 利用者から見て大きな特徴の1つは、後部のドアが上に開くウィングドアになっている点だ(図4)。上部の空間が大きく開いて2列目と3列目のシートに乗り降りしやすい。ただし車体の横に30センチメートル程度のスペースが必要になる。駐車場によっては上に完全に開けない可能性があり、日本国内では使いにくい状況も想定される。

図4 後部のウィングドアを開けた状態。出典:テスラモーターズジャパン

 もう1つの特徴は自動運転の技術だ。Model Xには自動緊急ブレーキや側面衝突回避システムを含む「アクティブ・セーフティ・テクノロジー」を採用している。Model Sでは速度の自動制御や車線の維持・変更を補助する「オートパイロット」の機能もあるが、現時点でModel Xには搭載していない。Model Sのオートパイロット機能には問題点も指摘されていて、9月11日にソフトウエアのアップグレードを発表した。

 Model Xの日本国内の販売価格は895万円(税込み)からで、店頭のほかにオンラインでも予約を受け付ける。電気自動車には国のCEV(クリーンエネルギー自動車)を対象にした補助金を適用できる。Model Xも対象になる見通しだが、現時点では金額が決まっていない。5人乗りのModel Sでは60万円の補助金を適用できて、電気自動車では最高額である。

 テスラモーターズのイーロン・マスクCEO(最高経営責任者)はかねて電気自動車の優位性を主張して、トヨタ自動車などの燃料電池車に対抗する姿勢を鮮明にしている。新たに投入する7人乗りのSUVが日本の市場でどのくらい売れるかに注目だ。

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