総合エネルギー企業としての存在感を高めているEVベンチャーのテスラモーターズは、電力供給会社南カリフォルニアエジソンの変電所向けに、電力網の安定化用途で蓄電池システムを納入する。
米国Tesla Motors(テスラモーターズ、以下テスラ)は、2003年の創業後、電気自動車(EV)の生産と販売を行うベンチャー企業として成長してきた。ただ、テスラ創業者でCEO(最高経営責任者)であるイーロン・マスク(Elon Musk)氏は「テスラは自動車メーカーではなく、エネルギー革新企業である」という方針を掲げており、EVにとどまらずさまざまなエネルギー関連製品の展開を進める方針を示していた(関連記事)。
これらの流れから2015年4月には据え置き型蓄電池システム市場への参入を発表。家庭用の蓄電池「Tesla Powerwall」(以下、Powerwall)と、より大きな容量で店舗やオフィスなどを対象とした業務用蓄電池システム「Tesla Powerpack」(以下、Powerpack)を展開してきた(関連記事)。
これらの取り組みを進める中で、今回新たに米国の電力供給会社である南カリフォルニアエジソン(Southern California Edison)のミラロマ変電所で、20MW(メガワット)/80MWh(メガワット時)のPowerpackが採用されたことを発表した(図1)。
完成するとこの蓄電池システムは世界最大のリチウムイオン電池による蓄電プロジェクトになるという。フル充電状態であれば、このシステムにより毎日2500世帯分の電力を供給できる他、1000台のテスラのEVを充電できるという(図2)。
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