新たな大規模蓄電池システムが採用された背景として、カリフォルニア州の電力危機がある。2015年10月にアリソキャニオンの天然ガス貯留所から大規模なガス漏れが発生し壊滅的な被害を受けた。そのため同施設は閉鎖を余儀なくされた。同施設の天然ガスは、電力のピーク対策用の発電所の燃料として用いられており、同施設からの天然ガスの供給が止まることで、電力のピーク対策用の新たな取り組みが必要になる。
この流れから、南カリフォルニアエジソンは、従来の発電機ではなく2016年中に運用可能な実用規模の電力貯蔵ソリューションとして、蓄電池システムを採用することになったという。
テスラでは、米国ネバダ州で稼働を開始した巨大蓄電池工場「Gigafactory(ギガファクトリー)」により、製造から出荷、インストールまで3カ月で実現できるとしている(図3)。同蓄電システムによりオフピークの電力を蓄電し、ピーク時に電力を供給することで、1500万人以上の住民の電力供給を安定化させられるという。これにより天然ガス発電の必要性を低減できる。
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