石炭火力の副産物で環境改善、中国電力の新設備が稼働エネルギー管理(2/2 ページ)

» 2016年11月16日 09時00分 公開
[陰山遼将スマートジャパン]
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赤潮の防止や環境改善に活用

 三隅発電所の製造設備では、年間に6万立方メートルのHiビーズを生産する計画だ。Hiビーズは粒内部に微細な孔を持つ。そのため、「砂より軽い」「吸水性が高い」「表面積が大きい」などの特徴がある。さらに粒どうしの隙間が大きいため通水性が高く、ヘドロ化した底泥にHiビーズ浸透柱を打ち込むと、水の循環を促し貧酸素を緩和してくれるといった効果が見込める。

 さらに優れた吸着性も有することから、ヘドロから発生する悪臭の原因となる硫化水素、赤潮の原因になる窒素・リンの水中への溶出を抑制するといった用途にも適している。こうして活用することで、バクテリアや貝類などの生物が増えることでヘドロに含まれる有機物の分解が促進され、周辺環境に与える影響を軽減できるという(図2)。

図4 Hiビーズの活用例 出典:中国電力

 Hiビーズはこうした環境修復機能が注目され、広島県の太田川派川や福山内港、鳥取県・島根県の中海などの環境修復材として公共土木事業に活用されている。

 中国電力の2015年度における廃棄物発生量は96.9万トンで、このうち再資源化量は95.6万t、再資源化率は98.6%となっている。この廃棄物発生量のうち、約66%を石炭灰が占める。同社では今回のように廃棄物の再利用の効率化を推進することで、事業活動で排出する廃棄物の再資源化率を2020年度に99%以上に高める計画だ。

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