電力の一大消費地である東京都が官民連携のファンドを通じて他県の再生可能エネルギーに投資案件を拡大中だ。新たに栃木県で建設中のメガソーラーに出資したことを公表した。民間企業2社と連携して2014年度から運営しているファンドで、東京都以外のプロジェクトが8県に広がった。
東京都は2014年度に「官民連携再生可能エネルギーファンド」を創設して、他県の再生可能エネルギー導入プロジェクトに投資を続けている。これまでに青森県から神奈川県までを含む東北・関東を対象に、8件のプロジェクトに資金を提供してきた(図1)。新たに栃木県の南部で建設中の大規模なメガソーラーに出資したことを2月10日に明らかにした。
投資対象のメガソーラーは「壬生ソーラーウェイ」で、栃木県の壬生町(みぶまち)から下野市(しもつけし)にまたがる20万平方メートルの用地に建設中だ(図2)。すでに2015年11月に着工しており、2017年3月に運転を開始する。発電能力は16.8MW(メガワット)にのぼる。運営会社は全国各地に再生可能エネルギーの発電所を展開する日本アジアグループ(JAG)である。
東京都は電力の一大消費地として再生可能エネルギーの導入量を拡大する施策を展開中で、官民連携再生可能エネルギーファンドもその1つだ。東京都内には再生可能エネルギーになる資源が少ないため、他県で実施するプロジェクトにも資金を提供して導入量を増やしていく。2024年度に都内で消費する電力の20%を再生可能エネルギーでカバーすることが目標になっている。
東京都は都内の案件を対象とした「都内型」のファンドに2億円を投じる一方、東北電力と東京電力の管内に含まれる15県を対象に「広域型」のファンドを運営中だ(図3)。広域型には東京都が10億円を出資するほか、国内外の投資家や事業会社を出資者に加えて2種類のファンドを組成した。1つを日本アジアグループ、もう1つをスパークス・グループが運営する。
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