キリンホールディングス(以下、キリン)が使用電力に再生可能エネルギーの活用を進めている。グループの3工場と、企業の1社に再生可能エネルギーを導入し、温室効果ガスの削減を進める狙いだ。
「キリンビール取手工場」と「キリンビバレッジ湘南工場」は、使用電力を東京電力エナジーパートナー(以下、東電EP)が提供するグリーン電力メニュー「アクアプレミアム」に切り替えた。これにより、杉の木約107万本に相当する年間約1万5000tのCO2排出量削減が見込めるとしている。
東電EPが2017年4月1日から提供を開始したアクアプレミアムは、水力発電の電力のみを販売する料金プランだ。契約電力が500kW以上の需要家が対象で、年間の使用量が100万kWh(キロワット時)以上か、電力を使用する施設の10%以上をアクアプレミアムで購入する場合に利用できる。アクアプレミアムの導入により、キリンビール取手工場は約70%、キリンビバレッジ湘南工場は約50%のCO2排出量削減が見込めるとしている。
なお、東電EPのアクアプレミアムは、既にソニーや三菱地所が導入を発表しており、食品・飲料業界での導入はキリンが初の事例となる。
さらに資源エネルギー庁と環境省の推進する「グリーン熱証書」「グリーン電力証書」も活用していく。キリンビール神戸工場の化石燃料由来の熱消費量に相当するグリーン熱証書を、シャトー・メルシャンの全電力使用量に相当するグリーン電力証書の購入を行い、約8000t規模のCO2排出量を削減する。
今回の3工場と企業の1社における再生可能エネルギーの活用で削減できる合計約2万3000tのCO2は、約6600世帯の年間排出量に相当する。なお、キリンのこれらの取り組みは、2017年3月に「Science Based Targets(SBT)イニシアチブ」の承認を受けた温室効果ガスの中期削減目標を達成するための一環となる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.