JR東日本が2012年から推進しているエコステだが、小淵沢駅以外にも複数の駅が生まれ変わっている。最初のモデル駅(2012年3月)となったのは、中央線四ツ谷駅だ。計17個のエコメニューが実施されている。例えば点灯時間の長いホーム、コンコースのLED導入では、年間約113万トンのCO2削減に貢献。屋上や壁の緑化活動も進めてきた。
四ツ谷駅では、全体のCO2排出量を2008年度比で40%削減すること目標に掲げている。JR東日本によると、既に2014年度CO2排出量では41%削減を達成したという。
2013年9月に3番目のモデル駅となったのは、京葉線海浜幕張駅である。「創エネ」メニューとして、太陽光発電パネルや風力発電機を設置。太陽光を高架下に伝送する光ダクトや、地中熱を利用した換気システムも導入している。
5番目のモデル駅(2015年4月)は、東北本線福島駅だ。軽量型太陽光パネルや有機薄膜太陽電池を活用することで、福島県が策定した「福島県再生可能エネルギー推進ビジョン」を推進することを目指す。同ビジョンでは、福島県内の1次エネルギー需要量を2020年に40%、2020年に100%再生可能エネルギーで賄うことを掲げている。
2017年4月に6番目のモデル駅*)となったのは、南武線武蔵溝ノ口駅である。省エネを目的としたLED照明や高効率空調機器、壁面緑化システムを導入した他、環境価値を駅の利用者に伝えるデジタルサイネージなども設置している。
また5つのモデル駅の中で、太陽光発電を組み合わせる水素エネルギー供給システムを初めて設置した。この取り組みはJR東日本横浜支社と川崎市が、2015年1月に再生可能エネルギーで製造した水素の利用促進に向けて締結した連携協定に基づく取り組みだ。
*)エコステのモデル駅は、上記で挙げた例の他に東北本線平泉駅、常磐線湯本駅がある。
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