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» 2018年01月26日 11時00分 公開

電力供給:電力取引の入札意思決定を支援、三菱電機が新技術を開発 (2/2)

[松本貴志,スマートジャパン]
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 今回開発した技術は、これまで経験知によって求めていた電力ポートフォリオや発生しうる収益の確率分布を、よりシステマチックに導出することを目的に開発されている。スポット価格など不確実な要素をモデル化することで電力ポートフォリオを最適化し、収益分布を高速に計算し評価できるという。

 不確実要素モデル化による電力ポートフォリオ最適化では、価格変動を確率分布と遷移確率でモデル化し、収益の期待値が最大となるように、発電や販売計画に対して発電設備の運用、契約による電力調達や電力市場での取引の配分計画を計算する。これにより、不確実な条件下でも収益向上と安定化につながるという。

電力ポートフォリオ最適化(クリックで拡大)

 収益分布の計算も、従来は需要変動のシナリオを多数生成し、全シナリオについて電力ポートフォリオを当てはめて計算する必要があり、大きな労力がかかっていた。そこで開発した技術は、全シナリオから自動で抽出した「代表シナリオ」に対する電力ポートフォリオの評価結果を用いて重回帰モデルを生成。この重回帰モデルによって、全シナリオに対する電力ポートフォリオの収益分布が高速に計算できるという。

収益分布の高速計算技術(クリックで拡大)

 これにより、複数の電力ポートフォリオの収益分布が短時間で評価・比較できるため、事前にインバランス料金を含めた収益の変動を容易に把握でき、大きな損失リスクを避けて収益を安定化するような入札を決定できるとする。

 本技術を発電事業者が利用した場合、一部の条件では1%程度の利益増大と10倍程度の収益分布計算高速化が見込めるという。今後、本技術を電力取引支援システム「“BLEnDer”Trader」に組み込み、2020年度の実用化を目指す方針だ。

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