「タイナビ総研」を運営するグッドフェローズが、全国の住宅太陽光発電ユーザーにアンケートを実施。停電を経験したユーザーのうち、約3割が非常用電源として利用できることを知らなかったという。
太陽光発電関連の情報サイト「タイナビ総研」を運営するグッドフェローズ(東京都品川区)は2018年10月、自宅に太陽光発電を設置している全国のユーザー141人を対象に「太陽光発電と停電に関するアンケート調査」を実施した(調査期間は2018年10月12〜19日)。
太陽光発電を設置した人に、「太陽光発電設置後に停電を経験したことはあるか?」と質問したところ、41.1%が「停電を経験した」と答えた。さらに、停電を経験した人への「停電時に太陽光発電があって、便利だと感じたことはあるか?」という問いには、55.2%が「便利だと感じた」と回答した。
次に、停電を経験した人に「停電時に太陽光発電の電気を利用したか?」と尋ねたところ、43.1%が「利用した」と回答。その電力の利用用途のうち、最も多かったのは「携帯電話・スマートフォン・Wi-Fiの充電(38.7%)」で、次に「冷蔵庫・炊飯器・電子レンジなどの電源(19.3%)」「その他各種予備バッテリーの充電(9.6%)」「給湯器(風呂など)の電源(6.4%)」などが続いた。
実際に利用した人に話を聞くと、「灯油ボイラーを使用し風呂にも入れたので非常に助かった(北海道/50代男性)」「暑い中、乳児がいたので扇風機を使用した(大阪府/30代男性)」など、太陽光発電を利用して助かったという声がある一方で、「蓄電池が無いため夜間の使用が出来ず不便だった(北海道/40代男性)」という声もあった。
停電を経験した人に「停電時に太陽光発電を非常用電源として利用する操作方法は知っていたか?」の質問に対しては、67.2%が「知っていた」と答えた一方で、「知らなかった」が29.3%を占めた。「知らなかった」と回答した人には、「太陽光の利用を意識していなかった(岡山県/60歳以上の男性)」「停電時に使えることを知らなかった(福岡県/40代男性)」とそもそも非常用電源として利用する認識がなかった人や、「延長コードなどを準備していなかったので、スマホ充電以外の有効利用はできなかった(静岡県/40代男性)」と対策をしていなかったことで十分な恩恵を受けられなかったと回答する人もいた。また、「停電時でも太陽光発電を利用して家中の電気を利用出来ると勘違いしていた(静岡県/40代男性)」と、太陽光発電の利用方法を誤って認識しているケースもあった。
太陽光発電を非常時に利用する場合は、多くの太陽光発電設備に装備されている自立運転機能を使用する。中には自動切り替え機能がある設備もあるが、多くは停電になった際に自動的に切り替わるものではなく、手動で操作をする必要がある。操作方法はメーカーや機種により異なるため、非常事態に備えて自宅の太陽光発電の取扱説明書を確認しておくことが重要だ。また、一般的なシステムでは、接続できる容量は1500W(ワット)という上限があり、自立運転機能にしたからといって家中の全ての家電が使えるわけではない。加えて、太陽光発電の電気を使用する際には、通常使用しているコンセントではなく、自立運転出力用コンセントを使用する必要がある。
停電を経験した人・経験していない人の両方に「停電・災害対策のために、太陽光発電・蓄電池を設置していない人に設置を勧めたか?」と質問したところ、停電を経験した人のうち、43.1%が「太陽光発電と蓄電池を勧めたい」と答えた。これは、停電を経験していない人の回答(22.9%)を20ポイント以上、上回る結果となった。一方で、停電をした人のうち、蓄電池を保有している人は10.3%と少なく、約9割が夜間に電力を利用出来ない状況だった。
「太陽光発電と蓄電池を勧めたい」と回答した人に理由を聞いたところ、「セットでないとメリットが半減するから(静岡県/40代男性)」、「今回太陽光だけでは不十分で、蓄電池もあれば良かったと感じたため(大阪府/30代男性)」、「蓄電池がないと満足には利用出来ないので(兵庫県/40代女性)」などの回答があり、停電を経験したことによって蓄電池の重要性を実感した人が多いことがわかった。また、「いざという時の為に蓄電できる設備があるというだけでも安心だし、近所の人の助けになることもできそう。(茨城県/30代女性)」と、蓄電池を使用して自宅だけでなく周りの人を助けたいという声も寄せられた。
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