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» 2019年02月05日 07時00分 公開

太陽光:住宅太陽光、パネル不良で火災事故も――消費者庁が調査報告 (1/2)

消費者庁が住宅太陽光発電の火災事故に関する調査報告書を公開。住宅太陽光発電システムによる火災は、施工不良だけでなく、太陽光パネル自体の不良も原因となる他、設置方法によっても被害の度合いに大きな差がでるなど、さまざまな結果が明らかとなった。

[スマートジャパン]

 住宅太陽光発電システムによる火災は、太陽光パネルの不良にも起因する――。消費者庁は2019年1月28日、こうした住宅用太陽光発電システムから発生した火災などに関する調査報告書を公表した。同時に消費者安全法第33条の規定に基づき、経済産業大臣と消費者庁長官に対し火災事故などの再発防止のために必要な措置を講じるよう意見を提出している。

 同庁の消費者安全調査委員会の調査によると、2018年10月時点における全国の太陽光発電システムの累計設置数は約237万4700棟にのぼる。同システムから発生した火災事故などに関する事故情報は、2008年3月〜2017年11月までに、事故情報データバンクに127件登録されている。今回の調査ではこのうち、これらのうち製品評価技術基盤機構(NITE)による原因調査中であったものや、原因不明とされていたもの、NITE登録されていなかったものなどを除く72件を調査対象とした。

住宅太陽光発電システムによる火災の例 出典:消費者庁

 調査対象のうち、発火元が太陽光パネルやケーブルだった火災は13件、パワーコンディショナー(PCS)や接続箱だった火災は59件あった。こうしてみると、太陽光パネルやケーブルから発生する火災件数は相対的に少ない。しかしパネルと屋根材が近接しているために、住宅火災や生命や身体の被害に至る可能性があるため、今回重点的に調査を実施した。

 太陽光パネルやケーブルに起因するとみられる13件の火災事故を分析したところ、まずケーブルの発火については施工不良が原因と推定した。施工不良の内容はケーブルの挟み込み、または電気設備技術基準に照らし不適切なケーブルの中間接続もしくは延長接続に分類された。こうした原因により異常発熱やアーク放電などが発生し、発火に至ったと考えられるとしている。さらに施工不良以外の原因として、コネクターの緩みによる発熱が原因とされる事例が2例あった他、小動物の噛害(ごうがい)に起因する短絡に伴う火花が発火につながったと推定されるケースや、地絡に対して適切な対処を行っていなかったケースもみられたという。

 一方、太陽光パネルに起因する火災では、まず「全て使用年数が7年以上のもので発生している」という結果が出た。つまり、施工不良ではなく、太陽光パネル自体の不具合によると思われるものが多かったという。

 この太陽光パネルが発火原因となる理由については、メーカーが作成した調査報告書を参考に、配線の接続部や、バイパス回路における不具合が経時的に進行して発火に至る場合があると推定。さらに太陽光パネルの配線接続部での不具合は、経年劣化や製造上の問題により発生すると考えられるとした。なお、モジュールが発火箇所と推定された火災事故などは、導入後10年前後以降の住宅用太陽光発電システムで発生していることから、導入後の経過年数も重要な要因になるとしている。

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