“卒FIT太陽光”の自家消費ニーズに対応、「エネがえる」にオール電化機器の診断機能スマートホーム

国際航業は太陽光発電や蓄電池導入時の経済効果を診断できるクラウドサービス「エネがえる」に、オール電化機器の経済効果診断機能を追加する。住宅太陽光発電の「卒FIT」に伴う自家消費ニーズの拡大とともに注目されている、ヒートポンプ給湯器などのオール電化機器の導入効果を診断しやすくする狙いだ。

» 2019年03月28日 09時00分 公開
[スマートジャパン]

 国際航業は2019年3月、太陽光発電や蓄電池導入時の経済効果を診断できるクラウドサービス「エネがえる」に、オール電化機器の経済効果診断機能を追加すると発表した。住宅太陽光発電の「卒FIT」に伴う自家消費ニーズの拡大とともに注目されている、ヒートポンプ給湯器などのオール電化機器の導入効果を診断しやすくする。2019年4月1日予定するアップデートで機能を追加する予定だ。

 エネがえるは、エネルギー診断特化型のクラウドサービスで、SaaSもしくはAPI提供の2種類を展開。スマートハウスや、住宅用太陽光、蓄電システム、オール電化製品、電力・ガス販売に関わる担当者が、短時間で顧客ごとの最適なエネルギー商材導入診断レポートを作成できるのが特徴だ。

 特に算出が難しい太陽光発電システム、蓄電池、オール電化機器(IH調理器や家庭用給湯器)の導入による経済効果を、専門知識なしに条件を変えながらシミュレーションできるため、営業効率や成約率の向上に貢献するという。現在、国内大手メーカーから電力会社、中小販社まで210社を超える導入実績がある。

 国内の住宅太陽光発電市場では、「再生可能エネルギーの固定買取価格制度(FIT)」による電力の買い取り期間が満了となる、いわゆる「卒FIT太陽光」が2019年秋から登場し始める他、自家消費型太陽光発電の需要拡大も見込まれている。それに伴い、太陽光発電の余剰電力などを、これまでに以上に住宅内で効率よく活用できるかに注目が集まり始めている。

 その1つとして注目されているのが「エコキュート」などのヒートポンプ給湯器だ。これまでのヒートポンプ給湯器は、電力の安い夜間にお湯を沸き上げという利用方法が一般的だった。しかし昨今メーカー各社は、日中に生まれる太陽光発電の余剰電力を活用できるよう、昼の沸き上げ運転機能を追加している。

 今回のエネがえるのアップデートでは、こうしたヒートポンプ給湯器などのオール電化機器の導入効果も診断したいという販社などの要望に応えるかたちで、主に3つの機能を追加する。具体的には、太陽光発電、蓄電池、IH調理器、エコキュートなどを導入した際の長期導入経済効果の計算機能(FIT期間内・終了後の内訳と合計金額)、こうした機器の投資回収期間がすぐに計算できるローン返済シミュレーター、卒FITユーザーに向けた専用の診断レポートテンプレートの追加となっている。

太陽光発電システム、蓄電池、オール電化機器などを導入した際の経済効果診断レポートのイメージ 出典:国際航業

 国際航業では、電気・ガス併用の住宅をオール電化と太陽光・蓄電池のセットに変更した場合のメリットについて、顧客により容易に説明できるサービスツールとして、引き続きエネがえるをメーカー・販社・電力会社など各企業に提案する方針だ。

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