スマートエネルギーWeek 2019 特集
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» 2019年03月22日 07時00分 公開

スマートエネルギーWeek2019:太陽光の“卒FIT”53万件をめぐる争奪戦! 電力買い取りと家庭用蓄電システムに商機 (1/3)

卒FIT案件の出現が目前に迫り、新たなビジネスモデルを模索する動きが加速している。10年間の買い取り期間が満了する住宅用太陽光発電設備は、今年だけでも約53万件。そこに生まれるニーズを、どう取り込んでいくのか。「スマートエネルギーWeek2019」に、各社のアプローチをみた。

[廣町公則,スマートジャパン]

 2019年11月より、法律にもとづく住宅太陽光発電の電力買い取り期間を終える世帯が大量に現れる。2009年11月にスタートした太陽光発電「余剰電力買取制度」の初年度認定案件が、買い取り期間の満了を迎えるのだ。同制度は2012年に「再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)」に移行し、認定案件は増大し続けた。買い取り期間を満了した発電設備は総称して「卒FIT」と呼ばれ、エネルギー事業者が大きなビジネスチャンスとして期待の目を向けている。

 太陽光発電設備は、国の買い取り保証期間である10年を過ぎても、まだまだ発電し続ける。そこで卒FITユーザーは、改めて「自由契約によって余剰電力を売電する」、あるいは「家庭用蓄電池などを導入して、太陽光で発電した電力を可能なかぎり自宅で使う(自家消費)」ことを考えるようになる。そのため、エネルギー事業者はこうした電力の買い取りサービスや、自家消費に役立つ機器の需要拡大を見込んでいるのだ。卒FIT案件は、2019年だけでも53万件。2023年には累計165万件、発電設備容量では合計670万kW(キロワット)にも達する見通しだ。

 「スマートエネルギーWeek2019」(2月27日〜3月1日、東京ビッグサイト)では、こうしたニーズを取り込むべく、卒FIT電力の買い取りサービスや、これまでにない蓄電システムの提案がみられた。

スマートエネルギーWeek2019会場風景

丸紅新電力、卒FIT電力買い取り子会社を立ち上げ

 商社系の新電力会社として、電力小売事業をベースにした総合サービスを展開する丸紅新電力は、2018年11月に新会社、丸紅ソーラートレーディングを設立した。卒FIT電力の買い取りを行うためにつくられた会社であり、新市場に対する丸紅グループの意気込みが感じられる。

丸紅ソーラートレーディングは、沖縄を含む全国エリアで卒FIT電力の買い取りを表明 

 買い取り価格は、現時点では発表されていないが、「丸紅グループの全国販売チャネルと強固な財務基盤を掛け合わせることにより、お客様に安心してご利用いただける分かりやすいサービスをいち早くお届けする」としている。スマートエネルギーWeekの出展ブースでは、代理店希望者への説明も行われていた。同社では、買い集めた卒FIT電力を、再エネ調達を希望する小売電気事業者に幅広く卸売りしていく考えだ。中長期的には、「日本を代表する分散電源サービス・再エネのプラットフォーマー」を目指すという。

NTTスマイルエナジー、卒FIT電力買い取りでエネットと協業

 太陽光遠隔モニタリングサービス「エコめがね」で知られるNTTスマイルエナジーは、卒FITユーザーに向けたさまざまなソリューションを発表した。新電力のエネットとの協業により、卒FIT電力の買い取り事業にも参入する。NTTスマイルエナジーがエコめがねユーザーから卒FIT電力を買い取り、エネットにまとめて供給し、エネットが電力需要家に販売するというスキームだ。需要家には、再エネ電力を求める「RE100」(事業運営を100%再エネで行うことを目指す企業の国際イニシアチブ)関連企業などを想定している。

親しみやすいサービスを印象づけるNTTスマイルエナジーの出展ブース。写真中央は社長の小鶴慎吾氏

 また、NTTスマイルエナジーでは、発電量に加えて自家消費量の見える化機能を装備した「自家消費向けエコめがね」を提供。さらに、蓄電池のある家庭に向けて、充放電の制御にも役立つ「ちくでんエコめがね」の開発を進めていると発表した。

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