新たに環境アセスの対象となる太陽光発電、運転開始期限を5年に延長へ法制度・規制

経済産業省は2020年度までに施行を予定する、一定規模以上の太陽光発電事業に対する法令環境アセスメントの義務化について、対象となる発電所の運転開始期限を5年とする方針を固めた。

» 2019年06月19日 07時30分 公開
[スマートジャパン]

 経済産業省は2019年6月10日に再生可能エネルギー大量導入・次世代電力ネットワーク小委員会を開催し、新たに施行する環境影響評価法(環境アセスメント)の対象となる太陽光発電所の運転開始期限を5年とする方針を固めた。これまでの「FIT認定日から3年」から2年延長された形になる。

 政府は系統連係ベースで出力が40MW(メガワット)以上の太陽光発電を、法令に基づく環境アセスメントの対象とする方針を示している。30MW以上の発電所についても、地域特性を踏まえたスクリーニングにより、環境アセスメントの対象となる場合がある。この新たな法令は2020年4月1日までに施行される見通しで、法令の施行期日までに工事計画書が提出されていない事業も対象となる。

 ただ、環境アセスメントには一定の時間が必要になる。そのため対象となる事業について、適用されるFIT価格にも影響を与える運転開始期限の設定が議論されていた。

 経済産業省の資料によると、国内で条例に基づく環境アセスメントを実施した3件の太陽光発電事業の実績を見ると、手続きからアセスメントの終了までに要する期間は最長で2年3カ月だった。また、法令に基づくアセスメントの場合、国の審査などが加わることから、さらに2カ月程度の時間が必要になるという。

 一方で、500kW以上の運転開始済み太陽光発電事業のうち、70%以上が認定から2年以内に稼働を開始している。これらのデータを踏まえ、新たな法令に基づいて環境アセスメントの対象となる太陽光発電事業については、運転開始期限をFIT認定日から起算して5年にすることが妥当と判断した。

 なお、この新法令の施行期日が2020年4月1日となることを前提に、2017〜2019年度にFIT認定を受けたかつ新法令に基づいて環境アセスメントの対象となる事業については、経過措置を設ける。具体的には従来の運転開始期限に2年を加えることで、FIT認定日から5年となるよう調整を行う方針だ。

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