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» 2019年09月04日 07時00分 公開

和田憲一郎が語るエネルギーの近未来 (14):ブロックチェーンのコア技術に注力する日本発ベンチャー、カウラが描く新たな電力ビジネス (1/3)

エネルギー業界でも注目を集めているブロックチェーン。日本でそののコア技術であるイーサリアム開発に注力している会社がある。カウラ(Kaula)である。多くの企業がアプリケーションに注力する中でコア技術開発に注力する理由や、エネルギー分野に関連した取組について、同社CEOの岡本克司氏に話を聞いた。

[和田憲一郎(日本電動化研究所 代表取締役),スマートジャパン]

 前回は、ブロックチェーンを活用して、分散型エネルギーの経済圏を作ろうとしているDELIAについて述べた。これらは、ブロックチェーンのアプリケーションの一つだろう。一方、日本にてブロックチェーンのコア技術であるイーサリアム関連開発に注力しているスタートアップ企業がある。カウラ(東京都千代田区)である。そのCEOを務める岡本克司氏に、その設立目的や日本にて開発を行う理由、今後の活動内容などについて話を聞く機会を得た。

カウラのCEOを務める岡本克司氏

カウラ(Kaula)を設立した理由

和田憲一郎氏(以下、和田氏) 岡本さんはカウラで、ブロックチェーンに関するコア技術開発を行っているとお聞きしました。詳細に入る前に、まず会社の名前である「カウラ(Kaula)」の由来について教えていただきたい。

岡本氏 カウラ(Kaula)はハワイ語で「絆(きずな):チェーン」という意味です。一部には「予言者」という意味もあるそうです。商標、著作権などいろいろなことに触れないようにするため、一般的な単語であるかつ、ブロックチェーンを専門とする企業であることから、この言葉を社名に選びました。

 会社設立は2017年1月です。もともと私はデータベース関連企業を経営をしていたのですが、それらの経験を元に独立しようと考えました。当初はニューヨークを拠点としているトップクラスのブロックチェーン企業との連携を考えていたのですが、紆余曲折した結果、連携は取りやめとなりました。その後、日本で独自にブロックチェーン関連技術を扱う会社を設立しようということになり。私がその代表に就いたものです。日本ではブロックチェーン関連技術そのものを扱う団体がないため、会社設立当初から海外を向いて仕事をしてきました。

和田氏 それで、カウラ(Kaula)を設立されたのですね。それで具体的にどのような活動をされているのでしょうか。

岡本氏 カウラでは今年から“Internet of TRUST”というスローガンを掲げています。信頼性のある仕組みを作り、ビジネスモデルを変えるブロックチェーンとは、あくまで一つの手段であると考えています。下図に示すように、世の中はIoT、Big Dataの活用が進んでいますが、経済価値を持つデータを実際にどのように扱っていくのかという仕組みの部分はまだ構築されていません。われわれは最低限でも業界ごとにデータ活用のプラットフォームが作れないかと思っています。そして、そのプラットフォームの構築・活用において、最終的にはブロックチェーンという技術が必要になると考えています。

 ブロックチェーンの利用は海外にて進んでおり、そのため英オックスフォード大学の研究チームとも連携しています。オックスフォード大学は、ブロックチェーンに関し、世界中の先端技術が集まると考えたからです。また、ベルリンを拠点とするイーサリアム開発部隊の他、多くのアカデミアや企業とも連携を取っています。

カウラが考えるDX
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