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» 2019年09月04日 07時00分 公開

ブロックチェーンのコア技術に注力する日本発ベンチャー、カウラが描く新たな電力ビジネス和田憲一郎が語るエネルギーの近未来 (14)(3/3 ページ)

[和田憲一郎(日本電動化研究所 代表取締役),スマートジャパン]
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AIとブロックチェーンを活用した新たなエネルギーマネジメント

和田氏 2019年8月に九州大学発の人工知能(AI)スタートアップ企業であるチームAIBODとの連携を発表されました。これはどのような狙いがあるのでしょうか。

岡本氏 チームAIBODはAIソリューションに特化したビジネスを行っています。今回の提携は、彼らが持つAIのエンジンを用いて、電力需要予測の精度を上げることができないかと考えたものです。ビッグデータのトレーサビリティを上げていき、将来的には電気、ガス、水素などをトークン化して、価値交換できないものかと考えています。それにより、駅や空港などの施設において「どの由来の電力をどれだけ使えば最もCO2削減ができるか」などを判断するといったことが可能になります。

電力需要予測
AIとブロックチェーンの相乗効果

カウラ今後の活動は

和田氏 最後に今後の活動はどのように進めるのでしょうか。

岡本氏 本日は詳しく説明しませんでしたが、2019年7月末に日商エレクトロニクスと共同で、AI、ブロックチェーンを駆使した「DX meetupラボ」を設立しました。これはDXを実現するには一つの企業では限界があり、AI、ブロックチェーン、IoTの技術や扱われるデータの信頼性と透明性が確保される場を設けることが望ましいと考え設立したラボです。今後、DXを実証実験レベルから実際に使用するレベル(現実解)にするためにいろいろな企業と協力していきたいと考えています。また、上述のコア技術であるブロックチェーンプラットフォームも海外と連携しながら具体的な取り組みを進めて行く予定です。

取材を終えて

 ブロックチェーンといえば、それを活用したアプリケーションが主流であり、取材前にも、カウラは同様にブロックチェーンのアプリケーションを開発していると思っていた。しかし、実際にお話を聞くにつれ、実はコア技術そのものを海外と連携して開発を進めていることに驚かされた。また、ブロックチェーン技術も日進月歩であり、単にイーサリアム本拠が開発したからそれでオシマイというものでもなく、今後も連携を取りながら、コア技術をアップデートし、それにうまく活用できるアプリケーション開発も必要となるのであろう。

 ブロックチェーンというと、エストニアをはじめとする海外を思い浮かべてしまうが、日本においても、国際連携を取りながらそれを専門にやろうとしていることに敬意を表したい。筆者は昨年エストニアのe-Residency(電子居住権)を取得している。この取材を通して、改めてブロックチェーンの活用を検討しなければと思った次第である。

筆者紹介

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和田憲一郎(わだ けんいちろう)

三菱自動車に入社後、2005年に新世代電気自動車の開発担当者に任命され「i-MiEV」の開発に着手。開発プロジェクトが正式発足と同時に、MiEV商品開発プロジェクトのプロジェクトマネージャーに就任。2010年から本社にてEV充電インフラビジネスをけん引。2013年3月に同社を退社して、同年4月に車両の電動化に特化したエレクトリフィケーション コンサルティングを設立。2015年6月には、株式会社日本電動化研究所への法人化を果たしている。


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