最上もがさんと“ウルトラ怪獣”が再エネ普及に一役 みんな電力の「かいじゅうのでんき」自然エネルギー(2/2 ページ)

» 2019年12月02日 07時00分 公開
[廣町公則スマートジャパン]
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FITと証書を組み合わせて再エネ100%を実現

 「人類が環境を考えた暮らしをしていたら、怪獣が暴れることはなかったかもしれない」(みんな電力)。そんな想いから誕生したという「かいじゅうのでんき」には、選べる2つのプランが用意されている。FIT電気比率75%以上のリーズナブルな「スタンダードプラン」と、再生可能エネルギー比率100%の「プレミアム100プラン」だ。

 「プレミアム100プラン」は、どのようにして再エネ100%を実現しているのか? みんな電力では、FIT電気と環境価値を持つ非化石証書などを組み合わせることで、実質的に再エネ100%の電力として提供する。非化石証書等が必要な分、「スタンダードプラン」より割高になるが、それでも東京電力の従量料金(120〜300kWh)と変わらないという。厳密に再エネ100%を求める世帯には魅力的なプランといえるだろう。

 「かいじゅうのでんき」には、毎月「怪獣から届くメッセージ」や、「ダダといく発電所草刈りツアー」(抽選40名)など電気以外の特典もあり、家族全員で楽しむことができる。電気を通して環境問題を考える、きっかけづくりともなる電力プランだ。

ダダと行く発電所草刈りツアー(イメージ) 出典:みんな電力

怪獣をきっかけに、一般家庭にも再エネ普及

 「バルタン星人は、自分の住んでいた星が核実験に失敗して爆発してしまったために地球にやってきた、ある意味、環境破壊の犠牲者でもあるんです」と、みんな電力代表の大石英司氏は「かいじゅうのでんき」誕生の経緯を話す。

 「怪獣っていうのは、環境破壊をはじめ、人間が欲望のままに活動していることに怒って出てくるんだと円谷プロの社長さんから伺いました。地球環境を守っていれば、怪獣は暴れたりしないんですね。だったら、怪獣にやさしい電気を普及させましょうという話になって、このプロジェクトはスタートしたんです」(大石氏)

 そして、再エネを購入する意義について大石氏は語る。「私たちはずっと“顔の見える電力”をコンセプトに、コンセントの向こう側に想いをはせようということでやってきました。電気には必ず生産者がいます。コンセントの向こうは必ずどこかの発電所とつながっている。どうせ電気代を払うなら、地球にやさしい再生可能エネルギーの発電所に払いたいと思いませんか? その選択が、CO2を減らし気候変動を抑えることにも結びついています。皆さんの電気代は、大きなパワーなんです」

 みんな電力は、これまで、法人を主な顧客としてシェアを広げてきた。大石氏は「一般生活者の方にも気候変動の大変さを分かってほしい」と話しており、「かいじゅうのでんき」を家庭向け電力シェア拡大の入り口ともしていきたい考えだ。

 「怪獣を通して、いままでとは違う人たちとの関係ができる。これは、みんな電力にとって大きな意味のあることです。これまでもビームスさんやパタゴニアさんなどファッション分野とのコラボを展開してきましたが、今回新たにエンタメの世界と関係をもつことができました。これからもさまざまな分野を巻き込んで、幅広い層に再生可能エネルギーの輪を広げていきたいと思っています」(大石氏)

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