蓄電池の状態を非破壊で診断、凸版印刷らが診断サービス蓄電・発電機器

凸版印刷とIntegral Geometry Scienceは、蓄電池画像診断システムの機器販売と蓄電池の受託検査サービスを2020年2月から開始した。蓄電池内部の電流密度分布状態を破壊せずに可視化できる。

» 2020年03月09日 08時30分 公開
[スマートジャパン]

 凸版印刷と神戸大学発のスタートアップ企業であるIntegral Geometry Science(以下、IGS)は2020年2月27日、蓄電池画像診断システムの機器販売と蓄電池の受託検査サービスを同月より本格的に開始すると発表した。同システムを用いることで、蓄電池内部の電流密度分布状態を破壊せずに可視化できる。

蓄電池画像診断システム機器 蓄電池画像診断システム機器 出典:凸版印刷

 同システムは蓄電池から発生する磁場を測定するとともに、IGSのCSO(Chief Strategic Officer

)を務める神戸大学数理データサイエンスセンターの木村建次郎教授らが発見した磁場と蓄電池内電流の逆問題の解析解を用いる。これにより、電気の流れを画像化し、電気回路の短絡箇所を把握できるという。

可視化された電池内部の短絡箇所 可視化された電池内部の短絡箇所 出典:凸版印刷

 凸版印刷は、連結子会社であるT&Tエナテクノを販売窓口として、自動車メーカーやリチウムイオン電池メーカーなどに向けて同システムの販売と受託検査サービスを開始した。今後もIGSと共同で、蓄電池検査機器に関連したさらなる開発を進める。

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