水素でガラスを製造する世界初の実証、日本板硝子が英国工場で実施へ省エネ機器

日本板硝子は、水素エネルギーを利用したガラス製造の実証実験を行うことを発表した。同社によれば、世界初の試みであり、英国北部にあるグリーンゲート工場で2020年11月に開始する。

» 2020年03月13日 07時00分 公開
[スマートジャパン]

 日本板硝子は2020年2月、水素エネルギーを利用したガラス製造の実証実験を行うことを発表した。同社によれば、世界初の試みであり、英国北部にあるグリーンゲート工場で2020年11月に開始する。

 日本板硝子(NSG)は2020年2月27日、英国において水素エネルギーを利用したガラス製造の実証実験を行うことを発表した。これは、世界初の試みであり、英国北部にあるグリーンゲート工場で2020年11月に開始する。

 本実証実験はガラス溶解窯の主燃料である天然ガスと重油の代替エネルギーとして水素を利用するもので、転換可能な水素の比率を調査する。仮に天然ガスを全て水素に転換できれば、二酸化炭素(CO2)を80%削減することができる。

 本実験は、イングランド北西部における産業、一般家庭および交通機関から排出されるCO2削減に取り組む共同事業体「HyNet」のプロジェクトの一環として実施する。英国政府が推進する工業燃料転換計画から520万ポンドの資金補助を受ける。

 NSGは、2030年のCO2排出量(Scope1およびScope2)を2018年対比で21%削減を目標としている。なお、Scope1は事業者からの直接排出(製造工程における燃料の使用など)で、Scope2はエネルギー起源の間接排出(製造工程における購入電力など)のことである。過去3年間の取り組みにおいては、エネルギー使用量とCO2排出量の削減により、単位生産量あたりのCO2排出量5%削減を達成した。

 同社は、エネルギー効率向上に貢献する高付加価値ガラス製品の製造と、事業活動による排出量の削減の努力を重ね、気候変動リスクの影響緩和にむけた取り組みを続けていく。

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