竹中工務店が地熱発電事業、奥飛騨の温泉地帯で100世帯分を発電自然エネルギー

竹中工務店は、岐阜県高山市の奥飛騨温泉郷にて「TAKENAKA奥飛騨地熱発電所」の稼働を開始した。同市の奥飛騨宝温泉協同組合と協働して既存の温泉井を活用する地熱発電事業で、年間100世帯分の発電量を見込んでいる。

» 2021年05月13日 14時00分 公開
[スマートジャパン]

 竹中工務店は2021年4月、岐阜県高山市の奥飛騨温泉郷にて「TAKENAKA奥飛騨地熱発電所」の稼働を開始したと発表した。同市の奥飛騨宝温泉協同組合と共同して既存の温泉井を活用する地熱発電事業だ。

 同発電所は2021年3月より発電を開始しており、発電容量は50kW、年間発電電力量は約500MWhを見込む。これは一般家庭約100戸分の年間使用電力量に相当する発電量だ。再生可能エネルギー特別措置法の固定価格買取制度(FIT)を用いて中部電力パワーグリッドに売電するほか、同施設内の組合の温泉供給設備でも一部を活用する。

「TAKENAKA奥飛騨地熱発電所」外観 「TAKENAKA奥飛騨地熱発電所」外観 出典:竹中工務店
発電機ユニット 発電機ユニット 出典:竹中工務店

 発電方法には、温泉の熱水や蒸気を熱交換し、低沸点の媒体を気化してタービンを回すバイナリー方式を採用した。同方式は、温泉地での発電で広く用いられている。

 熱交換器を比較的自由に選定できるほか、直接蒸気で冷媒を加熱できる発電機を採用しており、発電量が従来比で約20%向上した。また、分解して冷媒を抜かずにスケール除去が可能なプレート&シェル熱交換器を採用している。

TAKENAKA奥飛騨地熱発電所の仕組み TAKENAKA奥飛騨地熱発電所の仕組み 出典:竹中工務店

 同社は、奥飛騨地区におけるさらなる事業発展を目指し、今後も地元組合と共同で地熱資源の調査を進めるとしている。

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