建材一体型の「太陽光発電ガラス」、産総研のゼロエミセンターに採用太陽光

AGCの太陽光発電ガラス「サンジュール」が、産業技術総合研究所 ゼロエミッション国際共同研究センターのエントランスキャノピーに採用。太陽電池セルをガラスの間に封入した太陽光発電一体型建材だ。

» 2021年07月06日 07時00分 公開
[スマートジャパン]

 AGCは2021年6月23日、同社の太陽光発電ガラス「サンジュール」が、産業技術総合研究所(以下、産総研)ゼロエミッション国際共同研究センターのエントランスキャノピーに採用されたと発表した。

 ゼロエミッション国際共同研究センターは、2020年1月に産総研 つくばセンター西事業所に設立。ゼロエミッション社会を実現する環境イノベーションの創出を目的に、国内外の国立研究機関などと共同研究を行う場となっている。また、同研究センターのエントランスキャノピーは、脱炭素社会のシンボルツリー“ゼロエミの木”としてデザインされた。

キャノピーに傾斜をつけ、来訪客を迎え入れるイメージを実現(左)。葉に模したセルの配置により、木漏れ日感を演出した(右)。なお、設計施工は清水建設が担当した。出典:AGC 写真:新建築社写真部

 このゼロエミの木に採用されたAGCのサンジュールは、合わせガラスを基本とした採光型の太陽光発電ガラス。ガラスの間に太陽光発電セルを封入することで、キャノピーやファサーどで太陽光発電を行うことができる、建材一体型の太陽光発電モジュールだ。今回、樹木をモチーフとしたデザインの演出に加え、同研究センターが推進している再生可能エネルギーの利用を両立できるとして採用された。

サンジュールのモジュール構成例 出典:AGC

 サンジュールを採用したゼロエミの木は、館内のエントランス照明電力相当の6.9kWの発電力を持ち、葉に模したセルの配置により木漏れ日感を演出。また、来訪客を温かく迎え入れるイメージを実現するため、キャノピーを傾斜のある、複雑な3次元形状となっている。

 サンジュールはAGCが2000年から販売を開始し、これまで250件の施工実績があるという。

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