一般的に、資源やエネルギーの契約には長期・短中期・スポットなど異なる時間軸の契約タイプがあり、それぞれメリットやデメリットがある。
LNG事業ではその初期投資額の大きさから、量と価格が原則固定される長期契約から事業が開始されたが、近年では貿易量の拡大に伴い、LNG取引のスポット・短期比率が増加してきた。
日本も同様に長期契約は減少トレンドにあり、スポット・短期LNG比率は2021年で約22%に増加している。
ただし図4のように、第三国向けの「外・外取引」を増加させることにより、日本企業によるLNG取扱量全体では一定の規模を確保しており、上流や中流の権益確保などにより国際サプライチェーンにおける存在感を高めている。
ウクライナ危機によるLNG争奪戦はこれまでの短期化の流れを反転させ、欧州やアジア各国ではLNGの長期契約締結を急増させており、2026年頃までに供給を開始できる長期契約は全て売り切れ状態となっている。
このため、米国やメキシコでは新規LNG案件の開発を進めており、欧州や中国、「メジャー」等による15年から25年といった長期契約が、これを支える構図となっている。
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