迫るLPガス商慣行の是正に向けた省令改正、ガイドラインの内容も改定へ第9回「液化石油ガス流通WG」(3/4 ページ)

» 2024年05月30日 07時00分 公開
[梅田あおばスマートジャパン]

LPガス「取引適正化ガイドライン」の改正

 現時点、液化石油ガス法に係るガイドライン等としては、「液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律施行規則の運用及び解釈の基準」(運用・解釈通達)と、「液化石油ガスの小売営業における取引適正化指針」(取引適正化ガイドライン)の2つがある。

 運用・解釈通達については、表2のように必要最小限の加筆・修正を行う。表2右下の「専ら保安のために用いられる設備」とは、ガス漏れ警報器等を意味し、このような警報器のリース費用は、三部料金制の「設備料金」に今後も計上が可能である。

表2.「運用・解釈通達」改正の概要 出典:液化石油ガス流通WG

 取引適正化ガイドラインについては、都市ガス分野の「ガスの小売営業に関する指針」等を参考として、液石法等の関係法令の順守や自主的な取組を促すための指針であることを明確化し、「問題となる行為」や「望ましい行為」の具体例や考え方等を盛り込むこととする。なお、改正省令案で実施したパブリックコメントでは、LPガス事業者等から寄せられた質問に対する事務局回答を公開しているが、今後これを必要に応じてQ&Aとして整理していく予定としている。

 ガイドラインでは、正常な商慣習を超えた利益供与の制限に関する「問題となる行為」の例として、

  • 賃貸集合住宅のオーナー等に対して、設備の無償貸与、当該設備のフリーメンテナンス、入居者たる消費者紹介にかかる謝礼金やLPガスボンベの設置スペースの賃借料等の支払い等様々な名目により利益供与を行うこと
  • 一般消費者等に対して、将来の値上げありきの安価なLPガス料金を提示すること

を挙げている。

 また、LPガス事業者の変更を制限するような条件を付した契約等の締結の禁止に関しては、

  • 契約の解除を一切もしくは長期間許容しない期間や条件を設けること
  • 契約の解除に関して、月々のLPガス料金に照らして高額な違約金規定や貸与設備等の買取条項や返金条項を設けること
  • 一般消費者等からの申出がない限り契約期間終了時に契約を自動的に更新するという契約において、更新を拒否できる期間を極めて短い期間とすること

などを「問題となる行為」としている。

 なお改正省令では、新規契約と既存契約で一部扱いが異なるが、更新期日以降の契約は「新規」扱いとなることに留意が必要である。

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