迫るLPガス商慣行の是正に向けた省令改正、ガイドラインの内容も改定へ第9回「液化石油ガス流通WG」(4/4 ページ)

» 2024年05月30日 07時00分 公開
[梅田あおばスマートジャパン]
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LPガス商慣行通報フォーム

 エネ庁では、改正法令の施行前の駆け込み的な営業行為に対する懸念の声も踏まえ、液化石油ガス法違反の取り締まりや関係省庁への情報共有等のため、2023年12月に「LPガス商慣行通報フォーム」を開設した。通報フォームへは、これまで約670件の情報提供があり、通報は匿名でも可能であるが、完全匿名での情報提供は約3割であった。

表3.通報フォームに情報提供された営業・要求行為の事例

 エネ庁では、改正省令が公布された4月以降も駆け込み的な営業行為(過大な利益供与等)を続けているとの情報提供のあった事業者に対してヒアリングを実施し、社内体制の再確認を要請している。この事例の場合、LPガス事業者は今後そうした営業行為は行わない方針を決定し、社内への周知を図ったと報告されている。

LPガス商慣行是正に向けた取組宣言

 LPガスの商慣行是正に向けては、LPガス事業者自らが改正制度を順守すること等を宣言することが重要であり、それらの情報を集約し、Webサイトで公開することは、消費者が宣言済みの優良事業者であるかどうかを把握する一助となる。

 全国LPガス協会では、LPガス販売事業者の多くが中小企業であることなどを踏まえ、自主的な取組宣言の参考として、「取引の適正化・料金の透明化に向けた行動指針」を策定し、LPガス事業者に取組宣言を行うことを促している。5月15日現在、自主取組宣言を公表したLPガス事業者は164社に上り、その後も次第に宣言企業は増加している。なお、LPガス事業者は全国で1万7000社程度存在する。

 ただし、自主取組宣言を公表した優良事業者の需要家を狙い撃ちした、不適切な営業行為を行うLPガス事業者が現れていることも報告されており、このような制度改正の趣旨を損なう行為は厳格に対処すべきと考えられる。

 また全国LPガス協会は、今回の制度改正の下での取引の適正化・料金の透明化を円滑に進めるためには、LPガス販売事業者だけでなく、賃貸住宅オーナー・管理会社や消費者による理解が不可欠と考え、それぞれの関係者に向けた3種類のチラシを作成した。

図3.制度改正の周知に係るチラシ(LPガス販売事業者用) 出典:全国LPガス協会

不動産業界や国交省に求められる対応

 WG委員やオブザーバーから指摘のあるように、LPガス商慣行の是正に向けては、LPガス事業者やエネ庁の取組だけでは達成が困難であり、不動産業界や国土交通省側での制度変更や規律強化などの対応が強く求められる。

 不動産事業者側で、無償貸与は求めない/受けないと宣言することや、業界団体等によるその集約や公表などの取組が進むことが期待される。また今後、国交省においても、LPガスに係る不動産事業者の商慣行を公開の場で検証し、改善していくためのワーキンググループ等を開催することが期待される。

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