省エネ法の対象事業者に義務付けられている定期報告制度。資源エネルギー庁では、この定期報告の項目に、屋根置き型太陽光発電の設置余地などの内容を盛り込む方針だ。
太陽光発電の一層の導入拡大に向けては、地域社会との共生が大前提である。建築物(住宅・非住宅)の屋根・壁面への設置は、地域共生が相対的に達成しやすく、太陽光発電協会の「PV OUTLOOK 2050」において、非住宅建物では2050年時点で約95GWACの導入ポテンシャルがあると試算されている。
改正省エネ法では、エネルギー使用量が1,500kl以上の事業者(特定事業者)に対して、「エネルギーの使用の合理化」(省エネ)だけでなく、「非化石エネルギーへの転換」に向けた中長期計画の策定及び定期報告の提出を義務化している。
「省エネルギー小委員会」の第46回会合では、事務局である資源エネルギー庁から、建築物への太陽光発電のさらなる導入を目的とした、上記の定期報告制度の変更案など、省エネ法に関連する今後の新たな施策の具体案や方向性が示された。
省エネ法の対象となる特定事業者は、定期報告書において非化石エネルギー転換に向けた中長期的な計画を作成することが求められており、改正省エネ法施行後、初となる昨年度に提出された中長期計画書では、「太陽光発電の導入」を計画している事業者が最も多く(3割超)、次いで「非化石比率の高い電気メニューの選択」が2割超であった。
非化石エネルギーのうち、屋根置き太陽光は相対的に導入が容易であり、ポテンシャルも大きいと考えられることから、今後の定期報告において、この「設置余地」の報告を求めることとする。これにより、2025年に実用化が見込まれるペロブスカイト太陽電池をはじめとした次世代太陽電池導入の検討を促すことを目指す。
現時点、想定している報告・開示の様式は表1の通りである。
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