建築物省エネ法の改正により、2025年4月以降に着工する原則すべての住宅は、「省エネ基準」への適合が義務化される。また国はこの省エネ基準を、遅くとも2030年度までに現行の「ZEH水準」へと引き上げる予定としているが、現時点の適合率は36.6%に留まっている。
なおZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)とは、省エネと創エネ(再エネ)を組み合わせることにより、年間エネルギー消費量が正味でゼロ以下の住宅を指すのに対して、「ZEH水準」では再エネを考慮せず、基準から一次エネルギー消費量を20%削減した省エネ性能(BEI=0.8)を意味している。
ただし現時点、注文住宅(図4)におけるZEH化率は全体で33%であるのに対して、建売住宅(図5)のZEH化率は4%に留まり、大きな隔たりが生じている。
第6次エネルギー基本計画では、2050年目標として「ストック平均で現行ZEH水準の省エネ性能を確保」としており、住宅省エネ性能牽引の担い手であるZEHには、今後より高い省エネ性能を掲げることが期待される。また住宅の創エネ(再エネ)に関連する家庭用太陽光発電の自家消費率は、現時点30%程度であり、蓄電池の導入による自家消費率の向上が期待されている。
このため、今後のZEH・ZEH-M(ZEHマンション)のあり方に関して、ZEH/ZEH-M委員会において議論を開始する予定としている。
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