昨今注目されている太陽光発電の建築物屋根や壁面への設置。NEDOはこうした設置方法に向けた「建物設置型太陽光発電システムの設計・施工ガイドライン2024年版」を公開した。
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は2024年8月28日、新たに策定した「建物設置型太陽光発電システムの設計・施工ガイドライン2024年版」を公開した。建物屋根や壁面への太陽光発電システムの設置における、具体的な施工・設計方法をまとめている。
昨今、再生可能エネルギーの自家消費に向けた動きが加速する中、追加的な太陽光発電の導入エリアとして、建築物の屋根や壁面への設置が注目を集めている。屋根や壁面への設置に特化した製品も数多く市場に登場している。
NEDOよると2030年度までに、民間企業による自家消費を目的とした屋根・壁面への太陽光発電の導入で、各種建物として10GW、公共設備として6GW、空港分野において2.3GW、新築住宅として3.5GW程度が見込まれているという。
一方で、建物設置では太陽光パネルなどの飛散事故なども発生している。そこでNEDOは「太陽光発電主力電源化推進技術開発」プロジェクトにおいて、産業技術総合研究所、構造耐力評価機構、太陽光発電協会、大成建設、再委託先の公立大学法人大阪、大阪公立大学よる調査結果をまとめ、建物設置の太陽光発電設備の安全性確保のためのガイドラインとしてまとめた。
ガイドラインでは、太陽光発電設備の構造と電気に関する設計・施工の要求事項や、建築・土木・電気などの各分野における既存の基準・指針などの文献データ、追加的に行った風洞実験の結果などをもとに、太陽光発電システムの建物への設置について具体的な設計・施工方法を記載している。
NEDOでは今後、セミナーなどを通じて同ガイドラインの周知を進め、太陽光発電の安全性向上に向けた取り組みを推進する方針だ。なお、ガイドラインはNEDOのWebサイトからダウンロード可能となっている。
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