次期中給システムは、系統制約を考慮した「需給調整に係る費用最小化」と「混雑処理」を同時に行うSCUC・SCEDを実装するという点では、「同時市場」と多くの共通性を持つと言える。
ただし次期中給システムは、同時市場のような入札受付・精算等の市場基盤を持たないことや、ΔkW調達コストを考慮していないなどの相違点も多く、同時市場システムの開発はさらに難度が高いものと想定されている。
一送各社では次期中給システムの開発を通じて、SCUC・SCEDに関する知見の獲得だけでなく、日本特有の制度制約・設備制約の整理・蓄積が進んだことは、同時市場の実現に向けた重要な成果であると考えられる。
次期中給システムは基本設計が完了し、現在、詳細設計に移行している。送配電網協議会では、当初は運用開始の目標を「2020年代後半」としていたが、現時点では、「2032年度」の運用開始を目指すこととしている。
この遅延の主な理由としては、日本の発電抑制順位(優先給電ルール)や直流連系設備の制約、揚水発電所の運用など、日本特有の制度制約・設備制約について反映を行うためには、海外製パッケージの大幅なカスタマイズが必要となったためである。
日本が次期中給システムにおいて初めて導入予定であるSCUC・SCEDは、すでに北米の多くの地域(系統運用機関)で導入済みであり、日本の系統規模やノード数は北米のPJM等と同等である。ただし、日本の揚水発電所の総出力はPJMの5倍以上であるため、SCUC・SCEDの計算収束性に与える影響については引き続き検証を行う予定としている。
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