長期脱炭素電源オークションの制度を見直しへ 第4回入札からの変更点は?第113回「制度検討作業部会」/第3回「電力安定供給WG」(4/5 ページ)

» 2026年07月10日 07時00分 公開
[梅田あおばスマートジャパン]

応札価格に算入できる資本コスト上限を拡大

 一般的に建設リードタイムが長い電源種の方が事業リスクは高いことを踏まえ、多様な脱炭素電源種への投資を確保するため、これまで本制度の応札価格に算入できる資本コストは「5%」をベースとして、供給力提供開始期限の長さに応じて、電源種毎に4%・5%・6%を上限として設定してきた。

 このベースとなる「5%」は、他人資本コスト0.98%(2019年当時)を前提としていたが、2025年度の平均金利は1.51%に上昇していることを反映し、資本コストの上限はそれぞれ0.5%を加算して「4.5%」「5.5%」「6.5%」へと見直すこととした。

 なお先述のとおり、LNG専焼火力の供給力提供開始期限を11年(アセス済・不要は7年)に変更するため、LNG専焼の資本コストは10年以上枠の6.5%(アセス済・不要は5.5%)に変更される。

表5.第4回入札の資本コスト 出典:電力安定供給WG

第4回入札の上限価格

 第3回入札において、LNG専焼火力の上限価格は、発電コスト検証WG(2025年2月)の諸元を基に5.5万円/kW/年と算定していたが、諸元として採用している一部のモデルプラントではLNG基地が既に存在していたため、建設費にLNGタンクや桟橋、ローディングアーム等のLNG基地設備のコストが含まれていない。

 今後、LNG専焼の募集を継続的に行う中では、LNG基地の新設が必要となる地点での案件も含めて投資を促進していく必要があるため、LNG専焼の上限価格を表6のように、LNG基地の整備が必要な案件と、LNG基地の整備が不要な案件で別々に設定することとした。

表6.第4回入札の上限価格 出典:電力安定供給WG

 また本制度の入札上限価格は、電源新設のインセンティブとして十分な価格水準であることや国民負担抑制の観点から、諸元のコストの「1.5倍」に設定している。

 脱炭素電源のうち、FIT/FIP対象再エネ電源や水素・アンモニア・CCSについては、最新のコストデータを反映しているが、一般水力・揚水(新設)・原子力は、直近に運転開始したプラントが少ないため、主に1990年代から2000年代の比較的古いプラントのデータを基に上限価格を算定している。

 よって第4回入札では、脱炭素電源の安定的な応札を確保するため、一般水力・揚水(新設)・原子力の上限価格は、諸元のコストの「1.5倍」から「2倍」に引き上げることとした。

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