家庭用エアコンの国内出荷台数は年間900万台程度、廃棄台数は年間720万台程度であるが、このうち、冷媒回収が行われる割合は45%程度に留まると推計されている。
家庭用エアコンの廃棄は、本来、家電リサイクル法に基づいて収集・運搬・再商品化等が行われるものであり、家電リサイクルプラントに搬入された家庭用エアコンのフロンについては回収・処理が義務付けられている。また、消費者個人や事業者が家庭用エアコンを排出する場合には、再商品化等が確実に実施されるよう協力することが義務付けられているが、実際には数百万台もの家庭用エアコンが金属スクラップヤード等に持ち込まれ、冷媒フロンは回収されずに大気放出されていると推測される。
なお、現行のフロン排出抑制法では、フロンの大気への「みだり放出」の禁止や表示規定は業務用機器のみを対象としており、家庭用エアコンは対象外とされている。
家電製品協会や日本冷凍空調設備工業連合会では、フロン排出抑制法の「みだり放出禁止」規定の対象に家庭用エアコンを追加し、フロンみだり放出に対して厳罰化することを要望している。
これらを踏まえ、中間取りまとめでは、今後、家庭用エアコンを規定の対象として位置づけることを含め、法による対応を検討すべきと整理している。
多くの一般消費者は、エアコン内部にフロンが封入されていることや、フロンが強力な温室効果ガスであることを知らないと思われる。まずは丁寧な普及啓発が求められる。また、廃棄物処理法改正案で予定しているスクラップヤードへの規制強化等により、確実な冷媒回収が行われる環境を整備することが求められる。
エアコン・冷蔵冷凍機器分野におけるフロン対策は、冷媒の製造から、機器の開発・製造、建築物等への設置、使用・運転(メンテナンスを含む)、冷媒の回収、再生・破壊に至るまで、極めて多くの関係主体にまたがる課題である。中間取りまとめでは、上流から下流までライフサイクル全体を捉えた対策の整理と、関係するすべての主体の参加・協力とが不可欠と整理している。
フロン類排出対策の最新動向――廃棄時回収率の低迷や使用時の漏洩が課題に
パネルリサイクル法に太陽光業界はどう向き合うか? JPEAが描く今後の展望
省エネ・非化石転換はどこまで進んでいるのか? 足元の状況と新制度の動向Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
人気記事トップ10
展示会/注目テーマ