ヒット作の続編&大人気アニメの映画化、2013年映画業界の傾向予測映画ウラ事情

» 2013年01月21日 13時45分 公開
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「映画ウラ事情」とは:

総合エンタメサイト「クランクイン!」で連載中の、映画業界のウラ側や疑問を読み解く納得のコラム(※この記事は、クランクイン!より転載しています)。


 2012年のレジャー消費は旅行・テーマパークを中心に好調だった。映画業界も例外ではなく、2011年が震災の影響でガクンと興行収入が落ち込んだという側面があるにせよ、前年比5%増程度に落ち着くだろうと予想され、好調の形で幕を閉じた。

 では、2013年の映画業界はどうなるのだろうか。現在、音楽CDや食品などでは“復刻”ブームが続いているため、レジャー業界もそこに便乗し、かつてのレジャーを復刻させようとさまざまな試みが行われている。

 映画業界も『キャリー』(5月公開予定)、『華麗なるギャツビー』(6月14日公開予定)、『許されざる者』(9月13日公開予定)など、懐かしいタイトルのリメイクが相次ぐ。

 だが、旅行やテーマパークのように、懐かしさでの親子3代に渡る消費は難しいのが現状である。そんななか、現時点で発表されている2013年公開予定映画から、2013年の映画業界の傾向を見ていきたい。

ハリウッドでは人気作の続編ラッシュ

 まず、ハリウッド作品で目立つのが続編の多さだ。1月11日公開の『96時間/リベンジ』を皮切りに、『ダイ・ハード/ラスト・デイ』(2月14日公開予定)、『ゴーストライダー2』(2月8日公開)、『アイアンマン3』(4月26日公開予定)、『ワイルド・スピード6(仮題)』、『G.I.ジョー バック2リベンジ』(6月公開予定)、『スター・トレック イントゥ・ダークネス』(9月公開予定)など、1年を通じて続編が公開されるのだ。

 「ハリウッドでは、ヒット作のトータルの興行収入がどんどん大きくなっています。それはつまり、超大作や話題作に観客が集中し、ほかは厳しいということ。だからこそ続編が増え、それはもちろん話題となり、目立つ結果となるのでしょう」と、映画関係者は話す。

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邦画は人気コミック、ライトノベルからアニメ映画化

 一方の日本映画はアニメだ。『劇場版 HUNTER×HUNTER 緋色の幻影(ファントム・ルージュ)』(1月12日公開)、『劇場版 とある魔術の禁書目録−エンデュミオンの奇蹟−』(2月23日公開予定)、『劇場版TIGER&BUNNY The Rising』(秋公開予定)、『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 叛逆の物語』(年内公開予定)、『劇場版 あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』(夏公開予定)、『聖☆おにいさん』(5月10日公開予定)といった具合に、劇場版の続編、人気コミックやライトノベルの劇場版とさまざまなところからアニメ映画化が実現。

「いまやDVDバブルも終わり、売れるのは一部のメジャー作品だけとなっています。そんななか、アニメは堅実な売れ行きを見せ、採算の合う優良コンテンツ。また、オリジナル作品であっても、監督のネームバリューでお客さんが入る。このようなことは、実写ではあり得ません。映画会社が放っておくはずありませんよね」

 ヒット作の続編と大人気アニメの映画化。2013年の映画業界は2012年よりも期待できそうだが、“予想外”の言葉からは遠のきそうだ。

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