江幡: カナダ上空でブログをアップしたと言われましたが、太平洋上空からアメリカ大陸に入るときに、衛星が切り替わります。途中で通信速度が遅くなったり、通信が切れるといった不具合はありませんでしたか?
――私は感じませんでしたけど、飛んでいる場所によってはかなり速度も違ってくるのでしたっけ?
江幡: 衛星は赤道上空にあるので、緯度が高くなればなるほど角度が浅くなり、電波を受けづらい状況になるのは事実です。極論すると、北極までいくと電波はほとんど届きません。反対に、赤道上空では快適に使えると思います。お乗りいただいたニューヨーク線ですと、太平洋上とカナダ上空で衛星が分かれてきます。衛星は受給のバランスで成り立っているので、やはり陸地のほうが感度はいい。通信の割り当てが、使う人が多い陸地のほうが多くなっていますから。太平洋は、一つの衛星がカバーするエリアがどうしても広くなります。
――なるほど。ところで、機内Wi-Fiサービスは(2014年)7月から国内線でもスタートしましたね(参照リンク)。国内線では、ノートPCやタブレットとスマホと、端末によって利用料金を分けたようですが。
江幡: 画像がリッチなノートPCやタブレットに比べ、スマホだと使う通信量がさほど多くありません。その分、料金を安く設定しました。国内線はフライト時間が短いので、いちいちPCを立ち上げて、という人は少ないと判断したんです。
――確かに、国内線は座席も狭いので、私も移動中にPCを広げることはほとんどありません。国内の移動で機内Wi-Fiを使うとしたら、スマホでのメールチェックくらいですかね。
江幡: 機内でPCを使って仕事をするには、それなりの環境も必要ということなのでしょうね。
――そうだと思いますよ。やはり長距離路線のビジネスクラスだからこそ、私も仕事をしようという気になります。JALのSKY SUITE 777で、隣の席との境にあるスクリーンを上げてしまえば、完全な個室になる。PCを広げて仕事を始めれば、そこは地上のオフィスと何ら変わりません。コールボタンを押してオーダーすれば、ワインなども出てくる。オフィスに秘書までついた感じになりますよ(笑)。その意味で、SKY SUITE 777のシートと機内Wi-Fiは、相性が抜群だと思います。
江幡: よくPCを使われる人は、画面を横の席や後ろの席の人から見られるのがイヤだと言います。それが、あの個室シートでは解消されました。どの席からもダイレクトに通路に出られるから、通路側席でPCを広げている人も、他人を通すためにいちいち仕舞う必要もありません。
――777-300ERのSKY SUITEのシートが、今後は国際線の787にも導入され、同時に機内Wi-Fiも787で使えるようになると聞きました。
江幡: はい。2014年末にデリバリーされる787から、SKY SUITE 777と同じ個室タイプのシートが順次導入されます。787は777よりもボディが少し狭いので、横一列が“2-2-2”の配列で。
――機内Wi-Fiも777と同様に使えるようになれば、私の仕事場はさらに世界に広がりますね。今後も「雲の上の書斎」のサテライトオフィスとして、SKY SUITEを積極的に活用させてもらおうと思います。今日はありがとうございました。
本連載「秋本俊二の“飛行機と空と旅”の話」にもたくさん写真を提供いただいている航空写真家・チャーリィ古庄さんが、「世界で最も多くの航空会社に搭乗した人」としてギネス認定されました。これを記念して、連載筆者の秋本さんとの対談を実施。動画を公開しています。
パイロットのライセンスを取得、成田空港の近くに引っ越したというチャーリィ古庄さんは、世界中の飛行機の写真を撮り、航空写真教室や撮影ツアーの企画もするという飛行機好き。そのチャーリィさんに、「航空写真を撮っていて困ったことはありませんか?」「乗ってて面白かったとか、印象に残った飛行機って何かありませんか?」「機内食ですごくおいしかったのはどこですか?」「最新の飛行機のサービスでスゴイものは?」「空港の上手な利用法を教えてください!」などなどいろいろ質問してみました。チャーリィさんの飛行機写真もたっぷり入った動画、ぜひお楽しみください。
→秋本俊二の“飛行機と空と旅”の話・特別編:チャーリィ古庄×秋本俊二対談「ギネスと旅と飛行機と」
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