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» 2009年06月18日 10時43分 UPDATE

あなたの不安、見積もります:次々出てくる仕事術に“浮気”しないことのメリット

平常時はGTDなどの仕事術を実践しているが、緊急時にはついついその場しのぎのやり方で済ませてしまっている――そんな人も多いのではないでしょうか。緊急時でも自分の仕事術を貫くメリットをご紹介します。

[佐々木正悟,Business Media 誠]

ビジネスパーソンの不安ポイント

 普段はGTDを実践していますが、仕事が非常に多かったり緊急時になったりすると、「いちいちこんな面倒なことはやっていられない」という不安な気持ちになって、結局その場しのぎのやり方で済ませてしまっています。緊急時に対応できない仕事術やライフハックなど役に立たない、という気がしますがどうでしょう?


 これは、むしろ逆の発想が必要です。

 GTDであれ、そのほかのいかなる仕事術であれ、その目的はただ単に「仕事の効率化」や「スピードアップ」のみを目指すものではありません。確かに多くの書籍に「効率アップのための○○仕事術」とうたわれてはいますが、これは誰にとってもうれしいことをまず強調しなければ、お金を払ってくれる読者に申し訳ないからそうしているのであって、長い目で見れば自分に適した仕事術を身につける意味はほかにあるのです。

 それは、自分のコンディションを安定させるということです。人間ですから好不調の波はありますし、仕事の難易度も変化します。調子の良いときは何も問題ないのですが、調子が悪いときにも一定の結果を出さなければなりません。そのためにも、自分の調子が悪くなってきたらそれに気付けるようにしたいものです。また、仕事が厳しくなりそうであれば、それにも敏感でありたいはずです。

 私自身はGTDと言うよりも、タスクシュートToodledoといったツールを使って「時間の見積もり」と「タスクリスト」を連動させるように、たえず気をつけています。何年もこんなやり方を続けていると、仕事上の「黄信号」を管理ツールの中に見ることができるようになります。

 1日は24時間しかないのに、タスク総時間が25時間と見積もられていたり、逆に、いつもより極端に総時間が少ない日があるなど。そんなことがたびたび起こったら、「何かよくないことが起こりつつある」と分かるので早めに気づくことができますし、事故を未然に防ぐことも可能です。

不安なときこそ、よく記録すること

ts_task.jpg タスクシュートを用いたToDoリストと見積もり時間管理の例。午前9時の時点で見積もり合計が17時間もあるようでは、今日中にすべてのタスクをこなすのは難しいと分かります

 この場合、私と同じ仕事のやり方である必要は、全くありません。今はじつに多くの仕事術やツールが登場しているのですから、ご自分にあったツール、メソッド、ライフハックなどを選択すればいいでしょう。

 しかし、どんな方法やツールを使うにしても、自分に合う方法が見つかったら、簡単に「浮気」しないようにして、方法、ツール、仕事の循環を安定させるべく努めた方がいいと思います。それができると、継続によってもたらされるたくさんのメリットが享受できるからです。

 仕事におけるトラブルの予兆に気づくメリットもその1つなのです。そういうサインのことが分かっていれば、緊急時に不安になったといって、「仕事術なんてどうでもいい!」という発想にはならないはずです。

新刊のご案内

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 「シゴトハッカーズ」「あなたの不安、見積もります」の筆者、佐々木正悟さんの新刊『残業ゼロの「1日1箱」仕事術』が発売になりました。

 次に何をすべきかは分かっている、材料もすべてそろっている、でも、なんとなく取りかかる気がしない……。仕事を前に、こんな状況でダラダラと時間を浪費してしまった経験は誰にでもあるでしょう。

 本書のテーマは、どうやって自分の中から「やる気」を引き出すか……といっても、気合いや根性を総動員するような「精神論」ではありません。

 ご紹介しているのは、最新の脳科学・心理学の知識に基づいた「正しい」モチベーションの上げ方なのです。


筆者:佐々木正悟

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 心理学ジャーナリスト。専門は認知心理学。1973年北海道生まれ。1997年獨協大学卒業後、ドコモサービスに派遣社員として入社。2001年アヴィラ大学心理学科に留学。同大学卒業後、2004年ネバダ州立大学リノ校・実験心理科博士課程に移籍。2005年に帰国。著書に、『スピードハックス』『チームハックス』のほか『ブレインハックス』、『一瞬で「やる気」がでる脳のつくり方』、『やる気ハックス』などがある。「シゴタノ!−仕事を楽しくする研究日誌」にて「心理ハック」を連載中。ブログ「ライフハックス心理学」主宰。


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